少年野球指導のポイント

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野球指導者の責務

子供には基本的な技術を指導する
  • 子供に野球を指導する人向けのアメリカ本に、「指導者としての4つの責任」が書かれている

 

  1. 楽しめるプレイにする
  2. 安全なプレイにする
  3. 障害をもつ子供にも機会を与える
  4. 基本的な技術を教える

 

  • これらは小学生頃の選手を指導する際の責任であって、特にこの時期「基本的な技術を教える」ことの責任は重い

 

  • 自分が小学生の頃を思い出してみると、体育の授業ではマット運動、跳び箱、鉄棒といった体操競技でみられる運動を良く指導された

 

  • 将来、体操選手になるのでなければこれらの動きは生活の中でどう役に立つかと思ったものである

 

  • しかし、こうした運動は自分の身体を思うように動かせる技術を磨くことになる

 

  • 汎用性があって、その先の様々な動きをするのに役立ったように思われる

 

  • 野球の基本的な技術はこうした技術の支えに成り立っているのだろう

 

子供には多くの種目を経験させる

  • 「若いアスリートを育成する際の留意点」を国際オリンピック委員会(IOC)は以下のように示している

 

1:若い競技者の育成は、それぞれユニークでありながら常に変化する身体発育、成熟度、そして社会行動の発達を考慮して進めなければならない。それゆえ、その育成は個人ごとの対応が基本となる。


2:エビデンスに基づいた実践的で柔軟な競技者育成の包括的な枠組み(例えば、各々の発育段階に応じた「最適の練習」)を構築する。それによって、個々の競技者の発達過程を把握し、展望やニーズに応じた育成が可能となる。

 

3:健全で、粘り強く、自己制御ができるなど精神的回復力に富み、精神的に柔軟な競技者の育成を目指し、こうした心理的特性の涵養をはかる。この心理特性こそ、まさにオリンピック精神に通じるものである

 

4:子供期にスポーツスキルや社会的スキルを幅広く育てることによって、スポーツを障害にわたって継続して楽しむことのできる生活習慣が獲得できる。そのためには、子供期には組織化されていない様々な身体活動への参加を、そして、ある年齢に達すれば、年齢に応じて組織化されたスポーツ活動への参加を積極的に奨励する。

 

5:多種目のスポーツを経験させること、あるいは、そのスポーツの中で変化を持たせることを積極的に実践すべきである

 

6:若い競技者のタレント発掘、育成に関する基本理念は、スポーツの特異的な生理的機能、知覚機能、認知機能、戦略的機能、そして個々の競技者の長期にわたる幅広い発達過程に基づくものでなければならない

 

 

  • このうち、「多種目を経験させる」は日本に馴染みが薄い

 

  • しかし、アメリカではシーズンによって異なる種目に参加することはよくみられる

 

  • アメリカオリンピック委員会の調査によると、14歳までは平均すると3種目を実施している

 

  • しかも、90%の人が多種目を実施することは価値があると認めているとのことだった

 

  • 日本では、種目を変えなくてもその種目の中で変化をもたせる、つまり他の種目の動きを体験できればよいとしよう

 

発育発達状況を見極めるとともに、野球環境の変化にも留意する

  • 昭和40年代の調査によると、男子の最も身長が伸びる年齢は13歳頃である

 

  • 平成20年代になると、11歳と低年齢化している

 

  • 野球をする環境が変わると体重は減ることが多いので、体重については毎月チェックしたい

 

  • そして、トレーニングしている体力や運動能力については3ヶ月に1回は測定をしてチェックしたい

 

  • さらに、その測定結果に対して、目標とした数値に届いたら褒賞を与えるという評価にしたい

 

  • 例えば、スプリント走のトレーニングをして目標タイムをクリアしたら、無条件で選抜合宿に参加させるといった評価である

 

  • 中学、高校、大学のように学校運動部のチームだと下級生は体力的にも技術的にも劣るので練習についていくのに大変である

 

  • そこで、入学してからどのくらいの期間で1年生が上級生に体力的に追いつくかを調査した

 

  • 上肢を伸ばすパワーを毎月測って、体重あたりのパワーにして比較した

 

  • その結果、4月に入学してから7月になるまでは上級生との間に差がみられた

 

  • この期間は、新しい野球環境に慣れる期間とみなして相応の練習メニューを作らなければならない

 

  • 以上のように、性・年齢・個人による差を常に意識して、しかも将来を見据えて指導したい

 

 

 

 

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参考文献

科学する野球 ピッチング&フィールディング (ベースボールマガジン 2016年10月25日 平野裕一)