7歳までにできるようになりたい84の基礎的運動パターン 姿勢制御運動・移動運動・操作運動
心理学的にみた運動発達
- 幼児期、自動機の運動コントロール能力の発達は、『基礎的運動パターン』の習得というかたちであらわされる
- 基礎的運動パターンとは、人間の運動に共通してみられる時間的、空間的に組織化された運動様式を意味する
- たとえば、『走る』という基礎的運動パターンは、短距離走、走り高跳びの助走、テニスのフットワークなど、それぞれのスポーツに応じて特殊化されているが、走るという運動パターンとしては共通である
- 人間は80を超える基礎的運動パターンを持つが、6~7歳頃までにすべての基礎的運動パターンを習得する
- すなわち、基礎的運動パターンの種類と数(量的)という点では、児童期の初期にずでに大人と同じになるのである
- この時期の運動発達にとって非常に重要なのが経験する『運動の多様性』である
- 同じ動きを繰り返すより、いろいろ変化をつけた動きを経験する方が学習効果は高くなる
- この現象は多様性練習効果と呼ばれている
- 発達初期における豊富で多様な刺激や経験の重要性は、運動発達だけでなく、知覚や知的な発達についても指摘されている共通の原則である
- 子供の運動指導において留意することは、『子供は決して能力の低い小さな大人ではない』ということである
- 子供と大人は、できる運動自体はあまり変わらないが、その質的な部分に大きな違いがある
- そのため、単に大人が行っている運動を、小型化する、軽量化する、距離を短くするなどして行わせる指導では、発達に応じた指導にはならない
- 幼児期から児童期前半までは、子供たちが自発的な興味や関心に基づいて自分の頭で工夫して様々な運動をしたくなるような環境を整えるという間接的な遊びによる指導が中心となろう
- 心理学では、『遊び』とは内発的に動機づけられた活動と捉えている
- 内発的動機づけとは、活動に内在するその活動独自の魅力に引き付けられてプレーしている状態をいう
- 具体的にいえば、ドッジボールには他の運動では代えられないドッジボールをプレーすることによってのみ味わえる楽しさがある
- そのような、それぞれの運動の持つ独自の楽しさを追及している状態が遊びであるといえる
- 運動には内発的動機が満足される楽しさと、外発的動機が満足される楽しさがあるが、遊びとして運動を指導する場合は内発的動機が満足される楽しさを十分に味わえるようにすることが肝要である
基礎的運動パターン
- 基礎的運動パターンとは、人間の運動に共通してみられる時間的、空間的に組織化された運動様式を意味する
- たとえば、『走る』という基礎的運動パターンは、短距離走、走り高跳びの助走、テニスのフットワークなど、それぞれのスポーツに応じて特殊化されているが、走るという運動パターンとしては共通である
- 人間は80を超える基礎的運動パターンを持つが、6~7歳頃までにすべての基礎的運動パターンを習得する
3種類の基礎的運動パターン
- 基礎的運動パターンは以下の3種類に分類される
- 姿勢制御運動
- 移動運動
- 操作運動
- 今回は、全84個の運動パターンのうち、42個を紹介していく
姿勢制御運動
- 立つ
- 寝る
- 回る
- 転がる
- 乗る
- ぶら下がる
- からだを振る
- バランスをとる
- かわす
- 逆立ちする
- 踏む
移動運動
- 歩く
- 走る
- 跳ぶ
- 這う
- 滑る
- 登る
- 降りる
- 入る
- スキップする
- 運ぶ
- くぐる
- 渡る
- 寝転ぶ
操作運動
- 打つ
- 蹴る
- 叩く
- 投げる
- 受ける
- 回す
- 振る
- 引く
- 押す
- 持ち上げる
- 負う、おさぶる
- 突く
- 縛る
- 支える
- 掘る
- 積む
- 倒す
- 漕ぐ
画像引用:公認スタートコーチ(スポーツ少年団) 専門科目テキスト