コーチの役割 公認スポーツ指導者・スポーツの価値を伝える・心構え・安全管理・スポーツ保険・用具と施設の点検
コーチの役割
コーチングとは?
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スポーツ指導者とは?
- スポーツ指導者とは、プレーヤー自身が “なりたい” と思う自分に近づくために、その活動をサポートする存在である
- スポーツの意義と価値を社会に発信し、望ましい社会の実現に貢献するという役割を担う存在である
公認スポーツ指導者とは?
- 日本スポーツ協会は、国民それぞれスポーツへの関わり方に応じて、年齢・技能レベルや志向に対応できるスポーツ指導者を配置できるよう、さまざまな要請に応えることができる指導能力の高い指導者を加盟団体とともに『公認スポーツ指導者制度』に基づき要請・認定している
- 同制度に基づき資格認定する指導者とは、常にプレーヤーを最優先するというスタンスで、スポーツ医・科学の知識を活かし、『スポーツを安全に、正しく、楽しく』指導し、『スポーツの本質的な楽しさ、素晴らしさ』を伝えることのできる者である
望ましい公認スポーツ指導者とは?
- 公認スポーツ指導者は、日常の生活にスポーツを取り入れることによって『豊かな人生』を得られることを広く一般に定着させるとともに、『仲間と楽しく行いたい』、『上手くなりたい、強くなりたい』さらに、『健康になりたい、長生きしたい』という欲求に応えられるよう、その実現に向けてサポートする活動を行う
- 常に自己研鑽を図り、自ら成長・発展するとともに、社会的評価が得られるよう努力することが重要である
- そのために、公認スポーツ指導者は専門的な知識・技能や高いコーチング能力だけでなく、次のような点に対応していくことが求められている
- コミュニケーションスキルを身につけ、『プレーヤーの話を聞く』『叱るより良い点を褒めて伸ばす』『教えすぎずプレーヤーに考える力をつけさせる』『責任を持たせる』など、プレーヤーのやる気と自立心を育てるためのサポートをする
- スポーツマンシップとフェアプレーに代表されるマナー、エチケットなどのスポーツ規範を身につけさせるためのサポートをする
- プレーヤーが明確な目標を設定できるようにサポートする
- スポーツを継続できるようにサポートする
- スポーツとの出会いをコーディネートする
- スポーツの仲間をつくるためのサポートをする
- 快適なスポーツライフ構築するための方法や内容についてのサポートをする
- 長期一貫システムの理念と方法を理解し、個々人の年齢、技能、ニーズにあったその年代における最適な指導を行う
- メディカル・コンディショニングスタッフ、マネジメントスタッフなどと協力し、プレーヤーに対し最適な環境を提供する
- 自ら研鑽に努め、社会に評価される指導者を目指す
安全で、正しく、楽しいスポーツ活動の場を確保するために
- スポーツ指導に携わる人は、プレーヤーの安全を守る責任があり、指導のための基礎的・基本的能力を獲得する必要がある
- スポーツ指導者がスポーツ医・科学の知識や成果を活かし、『安全で、正しく、楽しい』スポーツ活動の場を確保するためには、以下のような姿勢や考え方が必要となる
- 医学的側面からのサポートを行うスポーツドクターやアスレティックトレーナー、さらには栄養やスポーツ心理など他の専門家との連携を柔軟に実践できる指導者であることが望まれる
- スポーツに対して情熱を持ち、常にプレーヤーを最優先し、何事にも前向きに取り組む
- すべてのプレーヤーに常に公平な態度で接し、また活動に参加したくなるような雰囲気を作る
- すべてのプレーヤーの個性や長所を見つけ、伸ばす
- 一方的、強制的な指導にならないよう、コミュニケーションスキルを高め、活動のねらいや内容をプレーヤーと共有する
- 発育発達段階や技能レベルに即して指導の内容と方法を工夫する
- プレーヤーの健康状態に注意をはらい、怪我や病気を起こさないよう配慮する
- 天候や活動場所の整備状況、道具・用具の手入れや施設の破損確認などに配慮する
あなたが理想とするスポーツ指導者とは?
- その日の活動が楽しければ、また活動に参加したいと思うはずであり、スポーツ指導者と過ごす時間が楽しければ、また一緒に活動したいと思うはずである
- あなた自身のスポーツ参加の動機づけがどんな理由どんな理由であったか、ときには振り返ってみることも必要である
- 理想とする指導者の答えは、そこにあるかもしれない
スポーツの価値を伝える指導者
- スポーツには、『スポーツマンシップ』に象徴されるように社会生活を営む上での総合的な能力を養うための要素が数多く含まれている
- ルールやマナーを大切にする、個性を尊重する、予測できない事態に的確かつ迅速に対応する、スポーツを通じて培われるこうした能力は実生活で求められる能力の大半をカバーするものである
- すなわち、生活文化に直結する側面がスポーツには認められる
- スポーツ指導者は、単にスポーツの技術指導能力が高いだけでなく、スポーツ自体が備える魅力、価値および文化としての役割について精通し、それらを多くの人々に伝えていくメッセンジャーでもある
スポーツ指導者としての心構え
- ひとりひとりが主体的・継続的にスポーツの楽しさや喜びを味わうためには、正しいスポーツ観やスポーツ規範についても十分身につけて実践していくことが重要である
- これらはプレーヤー自らが自覚し、実践するものであり、他者からの強制や罰則などによって強いられるものではない
- スポーツ指導者は、『スポーツの楽しさ』を自らの態度や実践で表現できるモデルとなり、さらに言動で見本を示す必要がある
- しかも、『スポーツの楽しさ』はスポーツ指導者がプレーヤーとお互いに尊敬の関係を築くことによってはじめて、伝えることができるのである
- 単に技術、戦術の指導に優れているだけではプレーヤーに信頼される指導者にはなれない
- 指導者の人格がプレーヤーに尊敬されてこそ信頼を得られるのである
- 相互関係を築くためには、コミュニケーションスキルを身につけ、プレーヤーの立場に立った指導をするとともに、スポーツマンシップとフェアプレーに代表されるスポーツのマナー、エチケットの手本となるような態度・行動が重要となる
- そして、常に自己研鑽を図り、自ら成長・発展し、周囲から尊敬・信頼される人間であることが求められているのである
安全管理
- 安全なスポーツ環境の構築は、コーチの最も重要な責務である
- プレーヤーの安全を確保することはもちろんのこと、コーチ自身やその場を共有する者の安全にも気を配る必要がある
- プレーヤーの発育発達段階や技術レベルに見合った質や強度のトレーニングを実施することで、その時だけでなく、長期的な視点でスポーツ障害を引き起こさないようにする努力も必要である
- それと同時に、トレーニング前や実施中に危険を予知しつつ、必要な対策を怠ることのないようにしなくてはならない
スポーツ保険への加入
- コーチやプレーヤーがいくら注意を怠らなくても、スポーツ活動中に事故は起こり得る
- 万が一に備えて、スポーツ保険に加入することを強く勧める
- 日本スポーツ協会では公認スポーツ指導者総合保険制度の提供を行っている
- それに加入することでスポーツ指導している時にプレーヤーに怪我をさせてしまった、コーチ自身が指導中に怪我をしてしまった、といった指導中の賠償責任の自分の怪我が補償される
用具・施設の点検
- 活動場所の整備状況や用具のチェック、手入れを忘れすに行う
- トレーニングを実施する前には、活動場所を一回りし、いつもと異なる箇所、危険が伴う箇所がないかどうかを点検する
- 点検の結果、異常個所を見つけた場合には、姿勢の管理者に報告するとともに、確実に安全が確保できる対策を施す
- 安易な判断によって危険な状態のまま、トレーニングを実施することがあってはならない