筋攣縮と筋短縮 生理的機序と評価法

f:id:sakuraiku:20210505174037p:plain

 

この記事は次のような人におススメ!

筋攣縮と筋短縮の違いを知りたい!
筋攣縮と筋短縮の評価方法を知りたい!

 

 

生理的機序

筋攣縮

  • 筋攣縮とは、筋が痙攣した状態のことを意味し、同時に血管のスパズムも伴っている

 

  • 筋攣縮のメカニズムには脊髄反射が強く関連している

 

  • 関節周囲組織に何らかの物理的、科学的刺激を受けることで、侵害受容器が反応し、その信号が脊髄内に入る

 

  • その後は、脳へ伝達される経路と脊髄反射を介して末梢へと伝達される経路に分かれる

 

  • 前者は関氏の後角でシナプスを介し、外側脊髄視床路を上行して視床でシナプスを介した後、大脳の体性感覚野に投射され、疼痛を認知する

 

  • 後者は脊髄反射を形成し、前角細胞のα運動線維と交感神経に関与する節前繊維とに作用し、筋や血管の痙攣を引き起こす

 

  • 長期に及ぶ筋、血管の痙攣は局所循環を停滞させる

 

  • すると、筋細胞は虚血に伴い組織が編成し、その過程において生じる発痛関連物質が監査し、疼痛や運動制限をきたす

 

  • これらの脊髄反射が反復して生じることで、負のスパイラルを形成し、関節拘縮を助長する

 

筋短縮

  • 筋短縮とは、筋の伸張性が欠如した状態のことを意味する

 

  • これは筋実質部の伸展性低下と筋膜の線維化によって生じる

 

筋実質部の伸展性低下
  • 筋繊維を構成する基本単位である筋節が減少することで生じる

 

  • 筋を伸ばすと太いフィラメントに対して隣り合う細いフィラメントが引き離され、筋節間が延長する

 

  • そのため、長軸上に連なる筋節の数が多くなるほど筋繊維の伸展性は増加することになる

 

  • つまり、筋実質部による伸展性低下とは、筋節数の減少によって伸展に対する抵抗が増す状態である

 

筋膜の線維化
  • 関節の不動や運動不足によって発症する

 

  • 筋膜や筋内膜のコラーゲ分子の末端に架橋結合が形成され、コラーゲン含有量の増加とともに組織自体の硬度が高くなる(分子間架橋)

 

  • つまり、筋膜の線維化とは、コラーゲン分子が架橋結合によって伸展に対する抵抗が増す状態である

 

筋攣縮と筋短縮を見分ける評価

  • 筋攣縮と筋短縮は生理学的・組織学的に異なった機序で発生するため、こられを見極める能力とともに、その状態に適した評価および治療技術の選択が必要である

 

1.圧痛所見の有無

筋攣縮
  • 圧痛を認めることが多い

 

  • その理由として、筋細胞外に発痛関連物質を放散し、高閾値機械受容器やポリモーダル受容器の閾値を低くさせるため、圧迫を侵害刺激として受容する

 

筋短縮
  • 圧痛を認めにくい

 

  • その理由として、組織編成がより進んだ状態であり、いわゆる伸びにくくなっているが、組織としては安定した状態であるためである

 

2.伸張位と弛緩位の緊張程度

筋攣縮
  • 関節肢位に関わらず、筋の緊張は持続的に高くなっている

 

  • したがって、筋を短縮位としても触診上の緊張が高い

 

  • また、筋を伸張位に強要すると緊張はさらに増強し疼痛が出現しやすい

 

筋短縮
  • 伸張位にすると引き伸ばされ、触診上の緊張は高くなる

 

  • 逆に短縮位にすると筋は弛緩するため、触診上の緊張は低くなる

 

3.筋力低下の有無

筋攣縮
  • 筋力低下を認める

 

  • その理由として、筋実質部に萎縮を認めないものの、筋肉の生理的な機能障害によってうまく筋力を発揮できないためである

 

筋短縮
  • 基本的には著名な筋力低下は認めない

 

  • 筋内圧も上昇していない

 

4.等尺性収縮時痛の有無

筋攣縮
  • 強い等尺性収縮を強要すると筋内圧はさらに上昇し、疼痛が出現しやすくなる

 

  • 特に、虚血を伴っている筋攣縮では収縮時痛がより顕著となる

 

  • その理由として、血管のスパズムも同時に伴っているため静脈還流が停滞し、その結果筋内圧が上昇するためである

 

筋短縮
  • 強い等尺性収縮を行っても筋内圧の上昇には直接影響しないため、疼痛は出現しない