椎間板

野球選手のための解剖学シリーズ!

今回は『椎間板』について共有していきます。

 

 

椎間円板の構造

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  • 椎間円板は外側の繊維状の輪、すなわち繊維輪とゼラチン状の中心部、髄核と呼ばれる部分からなる
  • 繊維輪の外側部は繊維状の鞘から成り、強い張力を有し、タイプⅠコラーゲン繊維から同心円状の層板構造を成す
  • その繊維束は斜めに走るさまざまな繊維によって十字に交差しており、隣接する椎骨間に張っている
  • 繊維輪の内側部への移行部分では繊維輪外側部の堅い線維組織が線維軟骨性組織と混ざっている
  • その線維軟骨性組織に含まれるタイプⅡコラーゲン線維は、椎体の硝子軟骨性関節面に付着している

 

繊維輪の外側部

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  • 線維輪の外側部の結合組織線維束はさまざまな角度で互いに交差しており、上下の椎体の骨性辺縁隆起間をつないでいる

 

椎体部における椎間円板の位置

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  • 椎間円板はその上下で椎体関節面を覆う硝子軟骨層と接している
  • 軟骨の下にある関節面の骨部(椎間面)は緻密骨(緻密質)から成り、無数の小さな穴が存在する
  • その穴を通して椎体の骨髄に存在する血管が円盤組織に栄養を供給する

 

加重による椎間円板内の水分移動

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  • 髄核は椎間円板の軸方向にかかる圧を吸収する含水性緩衝装置(クッション)として働く
  • 機械的には椎間円板は流体静力学系としての機能を持ち、圧に対して弾力性をもつ
  • 椎間円板は張力抵抗性を示す部分(線維輪)と水圧で圧縮不能な芯の部分、すなわち髄核から成る
  • 髄核の80~85%は水であり、その水分によって無細胞性、ゼラチン性、酸性ムコ多糖類性組織を可逆的に結合させることが可能となる
  • 重力やほかの力がかかる時、髄核は非常に強い流体静力学的圧を受けている
  • この圧力は軟骨性の椎体関節面と線維輪によって吸収される
  • このようにして、髄核は椎体間で含水性緩衝装置(クッション)あるいは、水圧プレスとして機能する
  • 髄核は線維輪とともに衝撃吸収装置として効果的に働き、圧を椎体の関節面に均等に分散させる

 

  • 加重により持続的に圧力の負荷がかかると、椎間円板からの水分の流出が起こる
  • 一過性の圧力負荷は髄核と線維輪の衝撃吸収装置によって緩衝される
  • 持続性の圧力負荷はゆっくりではあるが、長期にわたって椎間円板から水分流出を起こす原因となる
  • 水分の流出によって椎間円板の膨らみと高さが減少すると、軟骨性関節面、ひいては椎体自体が互いに接近するようになる

 

  • 非荷重により圧力負荷が減少すると、椎間円板への水分の流入が起こる
  • 椎間円板への圧が軽減された時には円板の高さは増す
  • 円板の増大は軟骨下の髄腔に由来する栄養血管から水分を供給されることで起こる
  • 椎間円板での圧に依存するこのような水分の流れによって、身長は1日のうちで約1%(1.5~2㎝)減少する

 

 

 

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