三角筋の伸張テストと圧痛好発部位

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この記事は次のような人におススメ!

三角筋の伸張テストの方法・圧痛部位を知りたい!

 

 

機能解剖

  • 前部線維は鎖骨外側1/3から起始する
  • 中部線維は肩峰の外側縁から起始する
  • 後部線維は肩甲棘から起始する
  • それぞれは三角筋粗面に停止する
  • 三角筋は前部線維と後部線維が紡錘筋である
  • 中部線維は多羽状筋である
  • 三角筋の機能は、上腕骨に強力な回転モーメントを作用させることである
  • 前部線維は、肩関節の屈曲・内転・内旋に作用する
  • 中部線維は、肩関節の外転に作用する
  • 後部線維は、肩関節の伸展・内転・外旋に作用する

 

臨床的特徴

  • 腱板の機能が破綻する腱板炎・腱板断裂・肩甲上神経麻痺などのケースでは、三角筋は上腕骨を肩峰へと引き上げ、骨頭は烏口肩峰アーチに衝突し、挙上が困難となる
  • 三角筋の十分な筋力の発揮には腱板筋群による支点形成の存在が不可欠である

 

圧痛好発部位

  • 三角筋粗面付近で確認できいることが多い
  • 横断面積は遠位に向かうにつれて中部線維へと集中し、後部線維はわずかとなる
  • そのため、圧痛のほとんどは前部線維と中部線維に多く認められる
  • 後部線維の圧痛はまれである

 

前部線維の評価方法

  1. 肩関節外転位で伸展方向に誘導する
  2. すると前部繊維が緊張するため圧痛を確認する

 

中部繊維の評価方法 

  1. 中部線維の前方部は肩関節伸展・内転・外旋方向、中部線維の後方部は肩関節屈曲・内転・内旋に誘導する
  2. すると中部線維が緊張するため圧痛を確認する

 

後部繊維の評価方法 

  1. 肩関節屈曲位で内旋45°程度とし、水平屈曲方向に誘導する
  2. すると後部線維が緊張するため圧痛を確認する

 

伸張テスト

前部線維

  1. 座位で行う
  2. 肩関節外転45°、内外旋中間位とする
  3. 肩甲骨を固定する
  4. そこから肩関節を伸展させる
  5. 伸展20°まで達しない場合、前部線維の伸張性低下が示唆される

 

中部繊維

前方部
  1. 座位で行う
  2. 肩関節伸展20°、内外旋中間位とする
  3. 肩甲骨を固定する
  4. そこから肩関節を内転させる
  5. 内転15°まで達しない場合、中部線維前方部の伸張性低下が示唆される

 

後方部

  • 座位で行う
  • 肩関節屈曲20°、内外旋中間位とする
  • 肩甲骨を固定する
  • そこから肩関節を内転させる
  • 内転15°まで達しない場合、中部線維後方部の伸張性低下が示唆される

 

後部繊維

  1. 臥位で行う
  2. 肩関節屈曲90°、内旋45°とする
  3. 肩甲骨を固定する
  4. そこから肩関節を水平屈曲させる
  5. 水平屈曲20°まで達しない場合、後部線維の伸張性低下が示唆される

 

 

 

 

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