広背筋の伸張テストと圧痛好発部位

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広背筋の伸張テストの方法・圧痛部位を知りたい!

 

 

機能解剖

  •  広背筋の停止部は、大円筋と同じく小結節稜であるが、これらの両筋が結合部より近位では両者の間には腱下包が存在し、両者間の摩擦を軽減している
  • 広背筋の機能は脊柱・骨盤の位置により、その効果は変化する
  • 肩関節運動軸付近では大円筋と一致するため、作用も大円筋と同様である

 

臨床的特徴

  • 広背筋は、胸椎棘突起・腰仙椎棘突起部、腸骨稜部、下位肋骨部、肩甲骨下角部の4つの線維群から構成され、それぞれが独自の機能を担う
  • さらに、腰椎港湾位、骨盤後傾位をとると、各線維群は伸張され静止張力が高まるため、肩関節の挙上可動域は制限されてしまう

 

圧痛好発部位

  • 下角付近の最上部線維で認めることが多い
  • 肩甲骨下角周辺部を走行する広背筋最上部線維に圧痛を認めるケースは、肩甲骨下角との摩擦障害が示唆される
  • 広背筋は、肩甲骨外側縁で大円筋を包み込むように前方へと回り込むため、これら周辺での圧痛所見に注意が必要である

 

評価方法

  1. 肩甲骨下角の尾側に位置する筋腹を触診する
  2. 肩関節を外旋位のまま屈曲方向に誘導する
  3. 屈曲120°を超えたあたりから広背筋が緊張するため圧痛を確認する

 

伸張テスト

  1. 側臥位で行う
  2. 両股関節は最大屈曲位、胸腰椎後弯位、骨盤後傾位とする
  3. 肩関節は内外旋中間位で行う
  4. そこから肩関節を屈曲させる
  5. 屈曲120°まで達しない場合、伸張性低下が示唆される

 

 

 

 

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