脊柱の靭帯
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『脊柱の靭帯』について共有していきます。
脊柱の靭帯
- 脊柱の靭帯は椎骨同士をしっかりとつなぎ、機械的な負荷やさまざまな圧に抗することを可能にしている
- 靭帯は椎体靭帯と椎弓靭帯に分けることができる
椎体靭帯と椎弓靭帯の模式図
椎体靭帯
- 前縦靭帯
- 後縦靭帯
椎弓靭帯
- 黄色靭帯
- 棘間靭帯
- 棘上靭帯
- 横突間靭帯
- 項靭帯
前縦靭帯
- 前縦靭帯は椎体の前面を広く覆いながら頭蓋底から仙骨まで走る
- その深層部繊維は椎体をつないでいるが、浅層部にはさまざまな長さの線維が走る
- 前縦靭帯中の膠原繊維は椎体と固く結合するが、椎間円板にはわずかに結合するのみである
- 前、後縦靭帯は正常な脊柱彎曲の維持に関与している
後縦靭帯
- 後縦靭帯は前縦靭帯より薄い靭帯である
- 斜台から椎体の後面を下行し、仙骨管内まで達する
- 椎体部分では細く椎体上縁と下縁に結合する
- 椎間円板内のところでは横に広がり、しだいに細くなりながら円板と固く結合する
- この靭帯は椎間円板の線維輪と結合するが、椎間円板の大部分、特に外側部は靭帯性に補強されていない
- したがって、外側へのヘルニアが起こりやすい
- 前、後縦靭帯は正常な脊柱彎曲の維持に関与している
黄色靭帯・横突間靭帯
- 黄色靭帯は、その主な構成成分が弾性線維であるため、特徴的な黄色を呈する
- 黄色靭帯は厚く、強靭な靭帯である
- 上下隣り合う椎弓板をつなぎ、椎間孔よりも後方の脊柱管の壁を補強する
- 脊柱が起立しているとき、黄色靭帯は緊張状態にあり、矢状方向に脊柱を安定に保つ背筋群を補助する
- 脊柱を前方に曲げる際、黄色靭帯は過屈曲することを防ぐ
- したがって黄色靭帯は前方に屈曲した脊柱をその位置で保持することにも貢献している
- 横突起の先端は左右それぞれ横突間靭帯によってつながれている
- ある椎骨の揺れが別の椎骨に波及することを防ぐ