歩行と骨盤の関係

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歩行周期

  • 歩行周期は立脚相と遊脚相に分けられる

 

  • 各歩行周期は立脚期における先行する脚の踵接地から始まり、遊脚期を経て、同じ側の脚の次の地面との接触で終了する

 

  • 立脚期はさらに踵接地、立脚中期、推進期に分けられる

 

  • 人間の歩行は非常に複雑で、調整された一連の運動である

 

  • 歩行周期を簡単に捉えるには、相に分けて考えることである

 

  • 立脚期は各歩行周期における体重を支える部分であり、踵接地で始まり、同側の踵離地で終わる

 

  • 立脚期は一歩行周期の約60%を占め、遊脚期は約40%を占めると推定されている

 

踵接地

  • 踵接地において、右足部が地面に接地する直前の身体の位置を考えると、右股関節は伸展位、右足関節は背屈し、足部は回外位となっている

 

  • 前脛骨筋は後脛骨筋をサポートし、足関節と足部の背屈と内返し位を維持する働きをする

 

  • 歩行では、踵接地の始まりにおいて約2°回外位で地面に接地する

 

  • 正常な足部では、距骨下関節が約5~6°回内位から約3~4°回内位に動き、これが足部の「可動アダプター」として機能する

 

筋膜連結

  • 踵接地で関節と足部が背屈および回外位になったとき、前脛骨筋は、筋膜スリングのリンクシステムの一部となっている

 

  • このスリングは、前脛骨筋の起始から始まり長腓骨筋の停止部を経由し、長腓骨筋の起始でもある腓骨頭に終わる

 

  • この骨性ランドマークは大腿二頭筋の停止でもある

 

  • スリングは大腿二頭筋として坐骨結節に向かい、坐骨結節を経由し、仙結節靭帯に付着する

 

  • 大腿二頭筋はしばしば坐骨結節というよりも仙結節靭帯に直接付着し、30%以上の大腿二頭筋は仙骨下外側角に直接付着いていた、という報告もある

 

  • このスリングは仙結節靭帯に続き、仙骨の下方に位置する下外側角に筋膜接続し、反対側の多裂筋および後頭骨につながる脊柱起立筋に接続する

 

  • この筋膜スリングは後縦走スリングとして知られている

 

  • 踵接地期では、踵接地する直前にも関わらず、足関節背屈によって大腿二頭筋と長腓骨筋の収縮が同時に誘発される

 

  • 大腿二頭筋の収縮は腓骨等に付着する長腓骨筋と連携しており、大腿二頭筋の収縮力の約18%の力が長腓骨筋に伝達される、という報告もある

 

  • この同時収縮は、胸腰筋膜を巻き上げ、下肢の安定化を図るための機構とされているが、結果としては、続く推進期で解放される必要な運動エネルギーの充填を行っている

 

  • 筋膜が伸張された後縦走スリングによって増加した伸張は大腿二頭筋を経由し、仙結節靭帯に集中する

 

  • この結合は仙腸関節の動的安定化機構を補助する

 

  • 歩行周期における荷重期のための仙腸関節のセルフロッキングと骨盤の安定化を図っている

 

  • 遊脚期の間に右腸骨が後方回旋し、仙結節靭帯が伸張されることによって仙腸関節のフォースクロージャーが働いていることがわかる

 

  • 右寛骨後傾運動と同様に大腿二頭筋の収縮によって右の仙結節靭帯が伸張される

 

  • 同時に左寛骨は前方回旋し、仙骨は左傾斜軸上で左捻転、つまり前方回旋する

 

  • この腰椎骨盤複合体の特殊な動きは、右踵接地のたびに必ず起こる

 

  • 踵接地の直前では股関節屈曲、膝関節伸展、足関節背屈し、足部は回外する

 

  • 前脛骨筋および後脛骨筋は足関節と足部のこの位置を維持し、さらにこれらの2つの筋は接地の際、遠心性収縮によって距骨下関節の回内速度を制御する役割を果たしている

 

  • 右足の踵接地から足趾離地までの間、骨盤が右にシフトすることによって、重心が右足に移動する

 

  • この動きは足趾離地まで続き、この間、右寛骨は前方回旋、左寛骨は後方回旋し始める

 

  • 立脚中期では、骨盤の自然な前傾と仙結節靭帯の緩みによって、ハムストリングスの緊張を緩めるところである

 

  • この時点でのフォームクロージャーは、立脚後期で徐々に失われるため、ここでの安定性は主にフォースクロージャーによって維持されている

 

  • これは立脚中期のポイントで、右側の大殿筋は左側の広背筋と協力し、右下肢の継続的な伸展運動の役割を果たしている

 

  • これら2つの筋の自動収縮は胸腰筋膜の張力を高め(後斜走スリング)、それによって右立脚中期の間の右仙腸関節に必要なフォースクロージャーにを提供している

 

  • 立脚中期で大殿筋の位相性の収縮が起こると、反対側の広背筋の収縮が同時に起こる

 

  • 広背筋は上肢を伸展させることにより、逆回転を通して推進力を助ける

 

  • 結合組織の膜である胸腰筋膜は、大殿筋と反対側の広背筋の間に位置し、この膜構造は大殿筋と広背筋の収縮によって張力が高められている

 

  • この増加した張力は、フォースクロージャーにによって、立脚期の仙腸関節の安定化に役立っている

 

  • 踵接地は歩行の推進期への移行を意味し、このときの大殿筋の収縮は、ハムストリングスの収縮に重ね合わされる

 

  • 大殿筋の活性化は脚を推進しながら肩を伸展している反対側の広背筋の収縮と強調して起こる

 

  • 相乗的な大殿筋および反対側の広背筋の収縮は、胸腰筋膜の緊張を作り出し、その解放が歩行に使われるか筋力の補助となる

 

  • 胸腰筋膜に蓄積されたエネルギーは歩行周期のエネルギー消費を低減させるのに役立つ

 

  • 大殿筋に連続する下肢を含む後斜走スリングは、腸脛靭帯の張力の増加に作用し、歩行における立脚期の間、膝の安定化に役立つ

 

 

 

 

 

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参考文献

骨盤と仙腸関節の機能解剖 骨盤帯を整えるリアラインアプローチ(医道の日本社 John Gibbons)