仙腸関節の安定性

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仙腸関節の安定性に関わる2つの要素

  • 仙腸関節の安定性に影響を与える主要な要素は2つある

 

  • ひとつは、フォームクロージャーである

 

  • もうひとつは、フォースクロージャーである

 

  • これら2つのメカニズムは、『セルフロッキングメカニズム』の理論を支持するものとして知られる

 

  • フォームクロージャーとフォースクロージャーとは、セルフロッキングメカニズムにおける自動と他動の違いである

 

  • 仙腸関節の剪断力は、特徴的な解剖学的形状(フォームクロージャー)と、荷重環境(フォースクロージャー)に適応した筋や靭帯によって生じる圧迫力のコンビネーションによって抑制される

 

フォームクロージャー

  • フォームクロージャーは仙骨と寛骨の解剖学的アライメントから成り立っており、仙骨は骨盤の両翼の要である

 

  • 仙腸関節は大きな負荷を伝達するため、その形態は負荷に適応する

 

  • 仙腸関節面は比較的平坦であるため、この形状は圧迫力や屈曲モーメントを分散している

 

  • しかし、平坦な関節面は剪断力による障害を受けやすい

 

  • 仙腸関節は、3つの方向からの剪断力から保護されている

 

  • まず第一に、仙骨が三角形の楔状であり、両側に位置する寛骨により安定化されている

 

  • 第二に、他の関節と比較して関節軟骨は滑りにくく、規則的な形状ではない

 

  • 第三に、仙腸関節の関節軟骨を覆う骨は関節まで覆われている

 

  • こうした特徴的な構造は、仙腸関節に圧迫力が加わった場合に、それを安定化させることと密接な関連がある

 

  • 仙腸関節が圧迫されるメカニズムは、フォースクロージャーと呼ばれる

 

  • 仙腸関節が圧迫、摩擦の増加によりフォームクロージャーが強化される

 

フォースクロージャー

  • フォースクロージャーは以下のように行われる

 

  • 第一の法則は、仙骨のニューテーションである

 

  • これは、仙骨底の前傾か寛骨の後方回転によって起こる

 

  • これらいずれかの運動により、仙結節靭帯、仙棘靭帯、そして骨間仙腸靭帯の連結はフォースクロージャーを支持し、仙腸関節の圧迫力を高める

 

  • 一方、カウンターニューテーションではm上記の靭帯の緊張が低下するため、仙腸関節の安定性は低下する

 

  • 寛骨と仙骨は1/3の面積しか接触していないため、靭帯が仙骨と寛骨の安定した連結の役目を果たしている

 

  • 第二の法則は、体幹の深層にある筋と表層にある筋の活動、または収縮によって支持されるフォースクロージャーである

 

仙腸関節の安定性

  • いくつかの靭帯・筋・そして筋膜システムは、骨盤のフォースクロージャーに貢献している

 

  • そして、これらは骨関節靭帯システムとして総合的に説明される

 

  • 身体は効率的に作用し、寛骨と仙骨の剪断力は適切に調節され、負荷は体幹・骨盤・下肢へと伝達される

 

  • 仙腸関節のフォースクロージャーには、腹直筋、縫工筋、腸骨筋、大殿筋、そしてハムストリングスのような筋も仙腸関節のモーメントに十分な影響を与えるレバーアームとなる

 

  • これらの筋の作用は、開放運動連鎖あるいは閉鎖運動連鎖であるか、また骨盤が十分に固定されているかによる

 

  • いくつかの大殿筋線維は、胸腰筋膜として知られる結合組織と同様、仙結節靭帯に付着している

 

  • 胸腰筋膜を介した大殿筋と反対側の広背筋の連結は、後斜走筋膜スリングとして知られてい

 

  • 大殿筋の筋力低下あるいは潜在的な筋活動以上による後斜走筋膜スリングの機能低下によって、仙腸関節が損傷しやすくなることが示されている

 

  • 大殿筋の低下、あるいは潜在的な筋活動以上は歩行・走行時において、反対側の広背筋の代償的過活動を引き起こし、これが仙腸関節への負荷となるため、荷重関節は代償的動作を減少させる自己安定性が要求される

 

仙骨のニューテーションとカウンターニューテーション

  • 仙骨のニューテーションが仙骨底の前下方運動、カウンターニューテーションは後上方運動である

 

  • 仙骨のニューテーションは、片脚立位では仙腸関節がロックされるために必要である

 

  • 仙骨のニューテーションができない場合は、片脚立位の不安定とトレンデレンブルグ歩行を引き起こす

 

  • 一方、仙骨のカウンターニューテーションでは、仙腸関節がロックされるように寛骨の前方回旋と股関節伸展が必要となる

 

  • 仙腸関節をロックできないこと、あるいは仙骨のカウンターニューテーションの異常は、腰椎や骨盤の屈曲が代償的に増加し、腰部の永続的な不安定が生じる

 

フォースクロージャー靭帯

  • フォースクロージャーに影響を与える主要な靭帯は以下の通りである

 

  • 仙結節靭帯(仙骨から坐骨結節へ付着し、鍵靭帯あるいは誘導靭帯と呼ばれる)

 

  • 長後仙腸靭帯(第3、第4仙椎からPSISまで付着する)

 

  • これれらの靭帯が付着している骨の動き、あるいは筋の収縮によって靭帯の緊張あるいは伸張が生じた場合、関節面の圧迫力は増加する

 

  • 仙結節靭帯の緊張が増加することができるのは以下の3通りである
  1. 仙骨に対する相対的な寛骨の後方回旋
  2. 寛骨に対する相対的な仙骨のニューテーション
  3. 仙結節靭帯に直接付着している4筋のうち、ひとつの筋収縮、すなわち大腿二頭筋、梨状筋、大殿筋、多裂筋

 

  • 仙骨のカウンターニューテーション、寛骨の前方回旋を抑制するための主要靭帯は、長後仙腸靭帯である

 

  • 仙腸関節は圧迫力が少なく固定されないので、これらの靭帯は骨盤が水平あるいは垂直方向の負荷に対して不安定となる

 

  • 長後仙腸靭帯は疼痛の原因となり、PSISの高さのすぐ下で触知できる

 

 

 

 

『仙腸関節を安定させる構造』について復習したい方はこちら


 

 

 

『仙腸関節のの運動』について復習したい方はこちら

 

 

 

 

参考文献

骨盤と仙腸関節の機能解剖 骨盤帯を整えるリアラインアプローチ(医道の日本社 John Gibbons)