胸骨と肋骨
野球選手のための解剖学シリーズ!今回は『胸骨と肋骨』について共有していきます。
胸骨
- 胸骨は扁平骨で、わずかに前方に凸であり外側縁には複数のくぼみがある(肋骨切痕)
- 成人の胸骨は3つの骨部から成る
- 胸骨柄
- 胸骨体
- 剣状突起
- 胸骨柄、胸骨体、剣状突起は思春期から若い成人の期間では互いに軟骨性に結合している(胸骨柄結合、胸骨剣結合)
- 加齢とともに骨性結合になっていく
- 胸骨柄の上縁のくぼみ(頸切痕)は経皮的にはっきりと触知でき、頸静脈窩の下縁となる
- 頸切痕の左右には鎖骨が関節するくぼみがある(鎖骨切痕)
- そのすぐ下にある浅いくぼみ(第1肋骨切痕)に第1肋骨が軟骨性に結合する
- 胸骨柄と胸骨体の接合部には第2肋骨の関節面がある(第2肋骨切痕)
- この結合部では多くの場合、胸骨柄が胸骨体に対してわずかに後屈している(胸骨角)
- 胸骨体の外側縁にはさらに複数の肋骨切痕があり第3~7肋軟骨が関節するが、第6~7肋軟骨が付く切痕は非常に接近している
- 剣状突起は時として二分してたり穴が開いてたりする
- 剣状突起自体が肋骨と関節することはなく、その形態は変異に富む
- 剣状突起は成人でも軟骨性の場合がある
胸肋関節
- 第1~7肋軟骨と胸骨の肋骨切痕との結合は、軟骨性結合の部分と、真の関節の部分がある
- 関節腔は第2~5肋骨においてのみみられる
- 第1、6、7肋骨は胸骨と直接結合する軟骨結合となる
- 胸肋関節では軟骨結合の場合も含めて、靭帯が肋軟骨の軟骨膜から反対側の胸骨にまで放線状に広がり(放線状胸肋靭帯)、胸骨骨膜と交錯しながら厚い線維膜を作る(胸骨膜)
肋骨の大きさと形の変異
a:第1肋骨 b:第2肋骨 c:第5肋骨 d:第11肋骨
- 肋骨頸は肋骨頭から肋骨結節までをさす
- 第1肋骨を除いて、肋骨頸はシャープな上縁をもつ(肋骨頸稜)
- 肋骨結節より外側は肋骨体となり、前方へ曲がり肋骨角を作る
- 第2~12肋骨は不規則な弯曲を示し、また長軸方向に対してねじれを有する
- このねじれのために、肋骨の外面は後端でやや下方を向き、前端ではやや上方を向く
- 第1、12肋骨が最も短く、第7肋骨が最も長い
- 肋軟骨は第1肋骨から第7肋骨へとしだいに長くなり、第8肋骨以降はしだいに短くなる
- 第1、11、12肋骨を除き、それぞれの肋骨は下縁に沿って溝がある(肋骨溝)
- そこを通る肋間動脈・静脈と肋間神経を保護している