腸肋筋

f:id:sakuraiku:20201119082507j:plain

 

野球選手のための解剖学シリーズ!

今回は『腸肋筋』について共有していきます。

 

 

起始・停止・神経支配

f:id:sakuraiku:20210223082259p:plain

起始

  • 腰腸肋筋:仙骨、腸骨、胸腰筋膜
  • 胸腸肋筋:第7~12肋骨
  • 頸腸肋筋:第3~7肋骨

停止

  • 腰腸肋筋:第6~12肋骨、胸腰筋膜の深葉、上位腰椎の横突起
  • 胸腸肋筋:第1~6肋骨
  • 頸腸肋筋:第4~6頸椎の横突起

神経支配

  • 第8頸神経~第1腰神経の各後枝の外側枝

特徴

f:id:sakuraiku:20210223082812p:plain

①腰腸肋筋  ②胸腸肋筋  ③頸腸肋筋

④胸最長筋  ⑤頸最長筋  ⑥頭最長筋

 

作用

筋機能の特徴

  • 両側が収縮すると、脊柱の伸展に作用する
  • 片側が収縮すると、脊柱の同側側屈に作用する

 

筋連結

f:id:sakuraiku:20210208065206p:plain

帽状腱膜

後頭下筋

脊柱起立筋

腰仙筋膜

仙結節靭帯

ハムストリングス

腓腹筋

アキレス腱

足底腱膜

短趾屈筋

 

 

野球との接点

 慢性腰痛

  • 腰部コンパートメント内圧上昇が原因の腰痛がある
  • 椎間関節由来の腰痛では、脊髄神経後枝内側枝を介した反射により、同レベルの多裂筋に攣縮が生じる
  • 椎間孔を出た腰神経は前枝と後枝に分かれ、後枝はさらに外側枝と内側枝に分かれる。内側枝はその後、椎間関節に分布するとともに多裂筋を支配する。椎間関節における病態は、多裂筋の反射性攣縮を併せて引き起こす可能性が高い。

f:id:sakuraiku:20201103081134p:plain

  • 仙腸関節の安定化に関わる多裂筋の持続的筋攣縮例では、背側仙腸靭帯の間接的緊張の増加により、仙腸関節ストレステストが陽性となる場合が多い
  • 多裂筋は胸腰筋膜を介して腹横筋と連結する。そのため、多裂筋が収縮すると体幹インナーマッスルである横隔膜や腹横筋、骨盤底筋群も同時に収縮する

 

解剖学を学んでおいた方がよい理由