腸脛靭帯
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『腸脛靭帯』について共有していきます!
起始・停止
起始
- 大殿筋と大腿筋膜張筋
停止
- 脛骨上端の前外側面(Gerdy結節)
特徴
- 腸脛靭帯とは大腿筋膜の外側部が腱膜様に著しく厚くなった部分をいう
- 腸脛靭帯の近位は大腿筋膜張筋と大殿筋へとつながり、遠位は脛骨上端の前外側面(Gerdy結節)に付着する
- 腸脛靭帯の後方はそのまま外側大腿筋間中隔となり、外側広筋と大腿二頭筋とを区別している
- 腸脛靭帯の脛骨付着部付近では、その繊維の一部が外側膝蓋支帯へと進入し、膝蓋骨の安定化にも寄与している
- 腸脛靭帯は股関節の内転位より緊張し、外転により弛緩する
- 腸脛靭帯は膝関節の伸展により後方部が緊張し、屈曲により前方部が緊張するが、90~100°を超えて屈曲すると全体として弛緩する
- 腸脛靭帯からは外側広筋の一部の線維が起始する
野球との接点
腸脛靭帯炎
- 膝関節屈曲40~50°あたりの屈伸動作で、大腿骨外側上顆の膨隆を腸脛靭帯が乗り越えることによって生じる反復性の摩擦障害である
- 予防には大腿筋膜張筋の十分なストレッチングが重要である
- Oberテスト:腸脛靭帯の拘縮の評価。腸脛靭帯自体は伸張性のない組織であるため、結局は大腿筋膜張筋の伸張性を評価している。被検者を側臥位とし、股関節を伸展・外転、膝関節屈曲90°にて股関節を内転させる。内転が制限されれば陽性となる。
腸脛靭帯拘縮
- 腸脛靭帯の拘縮は二次的に外側広筋の緊張に影響を与え、膝関節拘縮の原因となる