膝蓋靭帯
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『膝蓋靭帯』について共有していきます!
起始・停止
起始
停止
- 脛骨粗面
特徴
- 膝蓋靭帯は大腿四頭筋の続きであり、膝蓋骨の下部から起こって脛骨粗面に付く強靭な繊維束をいう
- 膝蓋靭帯は膝蓋骨に付く上端は幅広く、脛骨粗面に付く下端に向けて細くなる
- 大腿四頭筋の収縮力を膝蓋骨を介し脛骨へと伝える張力伝達装置である
- 膝蓋骨および膝蓋靭帯の両側には内・外側広筋へと続く膜様の縦走繊維束を内側膝蓋支帯および外側膝蓋支帯とよぶ
- 内側膝蓋支帯の起始は内側広筋であり、膝蓋骨を介さず脛骨の内側上端に広く付着する
- 内側膝蓋支帯の前方は膝蓋骨の内縁から膝蓋靭帯、後方は内側側副靭帯へとつながる
- 外側膝蓋支帯の起始は外側広筋であり、膝蓋骨を介さず脛骨の外側上端に広く付着する
- 外側膝蓋支帯の前方は膝蓋骨の外縁から膝蓋靭帯、後方は腸脛靭帯へとつながる
野球との接点
膝蓋骨高位症・低位症
- 成人における膝蓋骨の高さの基準は、膝関節側面のX線写真を利用した膝蓋腱長/膝蓋骨長径比(Insall-Salvati index)が一般に多く用いられている
- 正常範囲は1.2~0.8であり、1.2以上は膝蓋骨高位、0.8以下は膝蓋骨低位と判断する
- 膝蓋骨低位の症例では、膝蓋靭帯や膝蓋支帯の拘縮が原因の一つとなる
膝蓋靭帯炎
- 膝蓋靭帯炎は日常診療で多く経験されるスポーツ障害であるが、跳躍競技に多いことからジャンパーズニー(jumper’s knee)ともよばれる