三角靭帯

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野球選手のための解剖学シリーズ!

今回は『三角靭帯』について共有していきます!

 

 

起始・停止

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起始

  • 脛舟部:内果の前方
  • 脛踵部:内果の遠位
  • 後脛距部:内果の後方
  • 前脛距部:内果の前方

停止

  • 脛舟部:舟状骨粗面のやや上方
  • 脛踵部:載距突起
  • 後脛距部:距骨後突起の内側結節
  • 前脛距部:距骨頸の内側

特徴

  • 三角靭帯は距腿関節および距骨下関節の内側を補強する靭帯である
  • 三角靭帯は内果から起こり、下方へ三角形に分散する
  • 三角靭帯はその付着部によって4つの繊維束に分けられる
  • 三角靭帯の中でも脛踵部が最も強靭であり、荷重による踵骨の外反強制に抵抗する重要な靭帯である
  • 足関節の背屈により脛舟部・前脛距部は弛緩し、後脛距部は緊張する
  • 足関節の底屈により脛舟部・前脛距部は緊張し、後脛距部は弛緩する
  • 脛踵部は背屈時、底屈時とも一定の緊張を保ち、距骨下関節の回内を制動するprimary stabilizerとなる

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野球との接点

三角靭帯損傷・内果剥離骨折

  • 三角靭帯損傷は足部の回内強制(外返し強制)により発症するが、靭帯の強靭さゆえ単独損傷は非常に稀で、内果の剥離骨折の形態をとることが多い
  • 内果骨折の場合には骨傷のみに目を奪われることなく、三角靭帯損傷も念頭に置いて加療することが必要である

 

扁平足障害

  • 脛踵部の損傷後は靭帯の伸張により外反扁平足が続発することがあり、足底挿板の作成を含めた対応が必要である

 

内反尖足

  • 内反尖足の原因として後脛骨筋などの筋性要素の他に、三角靭帯の拘縮(特に後脛距部、脛踵部)も要因である

 

解剖学を学んでおいた方がよい理由