薄筋
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は、『薄筋』について共有していきます。
起始・停止・神経支配
起始
- 恥骨結合の外側
停止
- 脛骨粗面の内側
神経支配
- 閉鎖神経(L2~3)
特徴
- 薄筋は長い帯状の筋で大腿の最も内側を走行する
- 薄筋は膝関節の近位で縫工筋の後縁に沿うように走行し、その後、鵞足を形成する
- 薄筋は股関節内転筋群の中で、唯一の二関節筋である
①外閉鎖筋 ②恥骨筋 ③長内転筋 ④短内転筋
⑤大内転筋 ⑥小内転筋 ⑦薄筋
作用
筋機能の特徴
- 股関節の内転、屈曲に作用する
- 膝関節の屈曲に作用する
- 下腿の内旋に作用する
- 下枝が固定された場合、骨盤を前傾させる
筋連結
舌骨上筋 ↔ 舌骨下筋 ↔ 頭長筋・頚長筋 ↔ 斜角筋 ↔ 横隔膜 ↔ 腸腰筋・腰方形筋 ↔ 内転筋群 ↔ 膝窩筋 ↔ 後脛骨筋・長趾屈筋
野球との接点
鵞足炎
- 鵞足部に疼痛を訴えるほとんどのケースで、薄筋の圧痛所見を認める
- 縫工筋テスト:被検者の下方の下肢を屈曲し、骨盤を後傾位に保持する。上方の下肢の股関節を伸展・内転し、最後に膝関節を伸展することで縫工筋に伸張を与える。鵞足部に疼痛が誘発されれば陽性とする。股関節の伸展により半腱様筋が緩み、内転により薄筋が緩む。
- 半腱様筋テスト:被検者を背臥位とし股関節を屈曲・内転位とする。ここで膝関節を伸展させ、半腱様筋に伸張を加える。 鵞足部に疼痛が誘発されれば陽性とする。股関節屈曲により縫工筋は緩み、内転により薄筋が緩む。
- 薄筋テスト: 被検者を背臥位とし股関節を伸展位のまま最大に外転する。ここで膝関節を伸展させ、薄筋に伸張を加える。鵞足部に疼痛が誘発されれば陽性とする。股関節伸展位であるため半腱様筋は緩み、外転により縫工筋が緩む。