縫工筋
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は、『縫工筋』について共有していきます。
起始・停止・神経支配
起始
- 上前腸骨棘
停止
- 脛骨粗面の内側
神経支配
- 大腿神経(L2~3)
特徴
- 縫工筋の停止部付近では、薄筋および半腱様筋とともにが側を形成し、膝関節の安定に関与する
- 縫工筋はスカルパ三角を構成する組織の一つである
作用
筋機能の特徴
- 股関節の屈曲・外転・外旋に作用する
- 膝関節の屈曲に作用する
- 下腿の内旋に作用する
- あぐら位をとる動作は縫工筋固有の作用による
筋連結
広背筋 ↔ 外腹斜筋 ↔ 縫工筋
野球との接点
鵞足炎
- 鵞足部における疼痛の発現に縫工筋が関与している場合、股関節を伸展・内転・内旋位にて膝関節を伸展すると痛みが誘発される
- スポーツ動作の中で過度なknee inによる下腿外旋強制が要求される場合、膝関節の動的安定には、縫工筋をはじめとする鵞足筋群による制動が不可欠である
上前腸骨棘剥離骨折
- 縫工筋による急激かつ強力な牽引は、しばしば上前腸骨棘の剥離骨折を引き起こす
- 全力疾走など、遠心性収縮と求心性収縮が急激に変換する動作が多い競技では発生しやすい
- スポーツ動作との関連の中で縫工筋にかかる力学的負荷を考えた治療が必要となる
解剖学を学んでおいた方がよい理由