腸腰筋

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野球選手のための解剖学シリーズ!

今回は、『腸腰筋』について共有していきます。

 

 

起始・停止・神経支配

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起始

  • 大腰筋:(浅頭)Th12~L5の椎体側面と椎間円板の側面
  •  〃 :(深頭)L1~5の肋骨突起
  • 腸骨筋:腸骨窩

停止

  • 大腰筋:小転子
  • 腸骨筋:小転子

神経支配

  • 大腿神経(L1~4)

特徴

  • 大腰筋と腸骨筋は小転子に停止する手前で互いの筋繊維を交叉し合うことから腸腰筋として扱われることが多い
  • スカルパ三角のレベルでは、大腿動脈より外側に位置する

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作用

筋機能の特徴

  • 腸腰筋は股関節屈曲を行う最も重要な筋肉である
  • 股関節外旋に関与する報告はまちまちであり、意見の一致をみていない
  • 大腿骨を固定すると腸骨筋は骨盤を前方へと引っ張り(前傾)、大腰筋は腰椎を前方に引き前弯を維持する
  • 股関節の過伸展時には大腿骨頭の前方不安定性に対し腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯とともに制動し、支持する

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筋連結

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椎前筋 ↔ 横隔膜 ↔ 腸腰筋 ↔ 内転筋群 ↔ 膝窩筋 ↔ 後脛骨筋・長趾屈筋

 

 

野球との接点

慢性腰痛

  • 腸腰筋の拘縮は腰椎の代償的前弯を引き起こし、しばしば腰痛の原因となる
  • Thomas test(トーマステスト):股関節屈曲拘縮がある場合、一方の股関節の屈曲により骨盤が後傾を強いられると、他方の下肢は腸腰筋に引かれベッドから挙上してくる。この時の股関節の角度が屈曲拘縮の角度である。

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解剖学を学んでおいた方がよい理由