長内転筋
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は、『長内転筋』について共有していきます。
起始・停止・神経支配
起始
- 恥骨結節の下方
停止
- 大腿骨粗線内側唇中1/3
神経支配
- 閉鎖神経(L2~3)
特徴
- 長内転筋の起始は大変強靭かつ最も前方に位置するため、視覚的にもレリーフが明瞭であり判別しやすい
①外閉鎖筋 ②恥骨筋 ③長内転筋 ④短内転筋
⑤大内転筋 ⑥小内転筋 ⑦薄筋
作用
筋機能の特徴
- 股関節の内転、屈曲、伸展に作用する
- 股関節の外旋に軽度に作用する
- 大腿骨側が固定された場合、恥骨を引き対側骨盤が下制し、あわせて前傾する
- 長内転筋の走行は股関節屈曲60°において屈伸軸に一致するため、この角度では屈曲にも伸展にも作用しない
- 股関節屈曲60°未満では屈曲に、60°以上では伸展に作用する
筋連結
舌骨上筋 ↔ 舌骨下筋 ↔ 頭長筋・頚長筋 ↔ 斜角筋 ↔ 横隔膜 ↔ 腸腰筋・腰方形筋 ↔ 内転筋群 ↔ 膝窩筋 ↔ 後脛骨筋・長趾屈筋
野球との接点
内転筋肉離れ
- 内転筋の肉離れや断裂は、瞬間的に股関節を外転強制されたときに生じる
- 一般に大腿内側から骨盤付着部にかけて腫脹と圧痛があり、外転が制限される
- 断裂部では遠位より引き抜かれたように断裂し、筋腹が腫瘤状に膨隆する所見がみられる
- 断裂後2週間以内であれば縫合も可能であるが、陳旧性で運動時に疼痛がある例では切除されることもある
解剖学を学んでおいた方がよい理由