肩の5つの関節
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は、『肩の5つの関節』について共有していきます。
肩の5つの関節
- 合計5つの関節が肩関節での腕の広範な運動に関与する
- 胸鎖関節
- 肩鎖関節
- 肩甲上腕関節
- 肩峰下関節
- 肩甲胸郭関節
- 3つは解剖学的関節で、2つは機能的関節である
解剖学的関節
1.胸鎖関節
2.肩鎖関節
3.肩甲上腕関節
機能的関節
4.肩峰下関節:
筋下包(肩峰下包と三角筋下包)で縁どられる。肩峰と回旋筋腱板(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)は上腕骨頭を関節窩に押し付ける。
5.肩甲胸郭関節 :
肩甲下筋と前鋸筋の間の疎性結合組織により、肩甲骨は胸郭上を運動できる。
- 解剖学的関節と機能的関節の他に、肋鎖靭帯と烏口鎖骨靭帯の二つの靭帯は、上肢の運動に関与する
- これらの構造はすべてが一つの機能単位として働くため、上肢の広範な運動を実現するためには各関節の自由な運動が必要である
- しかし、広範な運動性は安定性の低下をもたらす
- 肩は緩い関節包が弱い靭帯で補強されているので、肩の安定性は回旋筋腱版にかかることになる
- 哺乳類の進化により、上肢の役割が身体の支持から手の操作に変わったことで、軟部組織とその病理の重要性が増すことになった
- 実際、肩の疾患の大部分は軟部組織の疾患である
肩関節の運動
- 屈曲170°
- 伸展 40°
- 水平屈曲160°
- 水平伸展 50°
- 外転180°
- 内転40°
- 外旋60°
- 内旋70°
- 肩外転90°での外旋90°
- 〃 内旋70°
肩甲上腕リズム
- 肩関節外転時、上腕と肩甲骨は2:1の割合で運動する
- 肩関節外転90°した時、肩関節では60°の運動が起こり、その後に付随して肩甲骨が30°運動する
- 肩関節の疾患ではこのリズムが変化し、しばしば肩甲骨がかなり早期に運動し始める
- これがよく示されているのが肩関節の強直や関節固定術(病的なものや手術による意図的な固定)であり、上肢帯の運動のみになるため、外転は40~60°に制限され、屈曲/伸展の範囲も正常の1/3に減少する