上腕三頭筋

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野球選手のための解剖学シリーズ!

今回は、『上腕三頭筋』について共有していきます。

 

 

起始・停止・神経支配

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起始

  • 上腕三頭筋長頭 :肩甲骨関節窩結節
  • 上腕三頭筋内側頭:橈骨神経構よりも遠位の上腕骨後面、内側上腕筋間中隔
  • 上腕三頭筋外側頭:橈骨神経構よりも近位の上腕骨後面、外側上腕筋間中隔

停止

神経支配

  • 橈骨神経(C7~C8)

特徴

  • 長頭のみが二関節筋で、その他は単関節筋である
  • 3つの筋は内側頭を深層に置き、これを覆い隠すように長頭と外側頭が走行している
  • 表層側に位置する長頭と外側頭は上腕の遠位1/3あたりで互いに合し、共同腱形成して尺骨肘頭に停止する
  • 内側頭の最も深層にある線維群は、そのまま肘関節後方関節包へ進入する
  • 関節包に停止しない繊維は、長頭と外側頭により形成された共同腱に深部より合流する

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作用

筋機能の特徴

  • 肘関節の伸展作用を強力に有する
  • 長頭には肩関節の伸展・内転作用も有する
  • 長頭の肘関節伸展力は肩関節の影響を受け、肩関節屈曲位では強力に作用する一方、肩関節伸展位では肘関節伸展作用が低下する(起始停止が近づく肢位のため)
  • 内側頭は関節筋としての機能をもち、肘伸展に伴う後方関節包の挟み込みを防止する

 

筋連結

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菱形筋 ↔ 広背筋・大円筋・小円筋 ↔ 上腕三頭筋 ↔ 尺骨骨膜 ↔ 小指球筋

 

 

野球との接点

 Bennett骨棘

  • 投球肩障害の一つで、肩関節後方の痛みや圧痛を愁訴とする
  • 要因として肩関節後方支持組織の硬さが大きく、関節包の硬さや上腕三頭筋長頭の過剰牽引が原因とされている
  • 骨棘が大きいと腋窩神経を刺激することもある
  • ワインドアップ期に肩関節後方に痛みが出る
  • コッキング期または減速期m、フォロースルー期に肩関節後方や上腕外側が痛みが出たり、脱力感を感じることがある
  • 側臥位で肩関節外転・外旋位を強制すると後方に痛みを生じるが、relocation testは通常陰性である
  • 肩関節屈曲90°での内旋可動域が減少している

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解剖学を学んでおいた方がよい理由