仙腸関節

 野球選手のための解剖学シリーズ!

今回は『仙腸関節』について共有していきます。

 

 

仙腸関節の関節面

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  •  腸骨と仙骨における2つの耳の形をした関節面(耳状面)が仙腸関節を作る
  • 腸骨の耳状面は中央部分がわずかにくぼみ、関節面は相補的な稜がある
  • 腸骨、仙骨双方における関節面の形と大きさは、他の関節に比べて個体変異が著しい
  • 軟骨面は一般に不規則であるが、仙骨側の関節軟骨の厚さは、腸骨側の関節軟骨の厚さの約2倍である

 

仙腸関節の回転

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  • 仙腸関節における運動は骨盤輪の幅を変えるので、産科学的に重要である
  • 可動域は強靭な靭帯によって著しく制限されているが、個人差や性差も非常に大きい
  • 基本的にはごくわずかな回転運動と横方向の運動が区別される
  • 回転とは、仙骨の骨間仙腸靭帯の付着部を回転軸とする軸運動、あるいは傾斜運動である
  • 仙骨の前方への回転により、岬角は前下方へ、尾骨は状後方へと動き、それによって骨盤下口の前後径が長くなる
  • 仙骨の後方への回転により、骨盤上口面の前後径は長くなるが、骨盤下口の長さは短くなる

 

仙腸関節の靭帯

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  1. 前仙腸靭帯
  2. 後仙腸靭帯
  3. 骨間仙腸靭帯
  4. 仙結節靭帯
  5. 仙棘靭帯
  6. 腸腰靭帯

 

  • 仙腸関節は真の関節であるが、その可動域は硬い関節包と強い靭帯によって著しく制限されている(半関節)
  • 前仙腸靭帯は骨盤前部で関節を安定させている
  • 骨間仙腸靭帯、後仙腸靭帯、腸腰靭帯は背部において関節を安定させるために主要な役割を担う
  • 骨間仙腸靭帯は、仙腸関節の後縁内側部で腸骨粗面と仙骨粗面の間を走る強靭な靭帯である
  • この靭帯は、後仙腸靭帯に完全に覆われている
  • 骨間仙腸靭帯と後仙腸靭帯は起立位で仙骨を骨盤輪に固定させ、骨盤腔に滑り込まないようにしている
  • さたに仙結節靭帯と仙棘靭帯は両側の仙腸関節を安定させ、横軸に対する骨盤の後方への傾斜を防ぐ
  • 仙腸関節痛は、慢性感染症か退行性変性(強直性脊椎炎、骨関節炎)、あるいは外傷(スポーツに関連する障害)が原因となる
  • 仙腸関節の過度な可動性は、全身的な靭帯の脆弱化、妊娠あるいはホルモンに関連する靭帯の緩みが原因となることもある
  • 仙腸部の機能障害には関節固定も含まれる
  • 関節固定は関節包を引き伸ばすため、多くの全身運動の際に苦痛の原因となる

 

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