肋間筋
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は、『肋間筋』について共有していきます。
起始・停止・神経支配
起始
- 内肋間筋:肋骨の上縁
- 外 〃 :肋骨の下縁
停止
- 内肋間筋:1つ上位の肋骨の下縁
- 外 〃 :1つ下位の肋骨の上縁
神経支配
- 肋間神経(Th1~12)
特徴
- 内肋間筋は斜め前上方に走行する
- 外肋間筋は斜め前下方に走行する
- 内肋間筋は肋骨角から胸骨まで存在する
- 外肋間筋は肋骨結節から肋骨肋軟骨連結部まで存在する
①前斜角筋 ②中斜角筋 ③後斜角筋
④外肋間筋 ⑤内肋間筋
作用
筋機能の特徴
- 外肋間筋:吸気時に肋骨を挙上する
- 内肋間筋:呼気時に肋骨を引き下げる
- ともに肋間壁を支持し、胸郭を安定化する
筋連結
頭板状筋
頸板状筋
胸鎖乳突筋
内肋間筋・外肋間筋
外腹斜筋
大殿筋
大腿筋膜張筋
腸脛靭帯
前腓骨頭靭帯
腓骨筋
外側下腿区画
野球との接点
- 胸郭上方の開口部から肋鎖間隙または小胸筋部において、腕神経叢や鎖骨下動脈・静脈を圧迫することにより神経症状や血管症状を総称して胸郭出口症候群という
- 圧迫型、牽引型、混合型二大別される
- 胸郭出口症候群を見るための徒手検査を以下に紹介する
①アドソンテスト:患者の腕を膝の上に置き、橈骨動脈の拍動を触診する。検査側へ頚部回旋・伸展を行わせ、深呼吸を行わせる。脈拍の減弱が認められ場合、陽性である。
②アレンテスト:患者の一側の肩外転90°・外旋とし、橈骨動脈を触診する。反対側への頚部回旋により橈骨動脈の減弱が認められた場合、陽性である。
③エデンテスト:患者を座位とし、上肢を後方に引いた姿勢への変化にて橈骨動脈の拍動減弱や痛みの誘発が得られた場合、陽性である。
④ライトテスト:患者の両肩外転90°・外旋位とすることで橈骨動脈の拍動減弱や痛みの誘発が得られた場合、陽性である。健常者でも30~50%は陽性になるといわれている。
⑤ルーステスト:ライトテストと同肢位で、手指の掌握運動を3分間持続させる。疲労感や痛みで運動継続が不可能な場合、陽性である。最も信頼性が高い徒手検査とされている。
⑥Inferior stress test:患者の上肢をつかみ、下方牽引を加えることで症状の再現が得られる場合、陽性である。牽引型の症例に認められる。