ファンクショナルライン
今回はアナトミートレイン、ファンクショナルラインについて共有していきます!
ファンクショナルライン(FL):機能線の経路
A:後機能線
- 上腕骨体
- 広背筋
- 胸背筋膜
- 仙骨筋膜
- 仙骨
- 大殿筋
- 大腿骨体
- 外側広筋
- 膝蓋骨
- 膝蓋靭帯
- 脛骨粗面
B:前機能線
- 上腕骨体
- 大胸筋下部
- 第5・6肋軟骨
- 腹直筋鞘
- 恥骨結節と恥骨結合
- 長内転筋
- 大腿骨粗線
概観
- 体幹表面を通って対側の骨盤と下肢へ行く腕線の延長である
- 他の線と違って直立姿勢の調整にはほとんど使用されない
- 運動競技などの活動時に働く
- 一側の上肢・下肢が対側の上肢・下肢によって安定化させられ、バランスをとりあるいは強化される
- 野球や槍投げでは、左の下肢とヒップで勢いをつけて、右手から投げ出される物体にさらにスピードをつける
姿勢機能
- 機能線の大部分は身体の表層にあって、日常活動で非常によく使われる筋から成るので、姿勢を維持する機会は最小限しかない
- 機能線には静止直立姿勢以外では強力な姿勢安定化の機能がある
- 多くのヨガのポーズ、あるいは上肢帯を体幹に固定するために上向きの安定性を与える
- サッカーのキックのように、時々、下肢の働きに対しても同じように安定性あるいは対抗バランスを与えるために機能線が使用されることがある
運動機能
- 対側で異なる肢帯に一側の下肢を連結して、その肢の運動に特別の力を付加して正確さを増すことができる
- 両腕の重さはキックに勢いをつけるために用いられ、骨盤の運動はテニスのバックハンドに貢献する
- 歩行のステップ毎に、肩と対側のヒップとの間でバランスをとる場合である
- 身体上ではラセン状になっており、常にラセン形のパターンで作用する
- ラセン線に対する付属的補助線とも考えられ、腕線の体幹への延長部とみなすこともできる
- 活動中では牽引線が絶えず変わり、機能線の正確さとは、力の働きにおける中心積率の総和である
アナトミートレインとは
7つの路線
①スーパーフィッシャルバックライン
足底から頭頂まで人体の後面全体を結ぶライン
②スーパーフィッシャルフロントライン
足先から頭蓋側面までの前身の前面を結合するライン
③ラテラルライン
身体の両側を走るライン
④スパイラルライン
人体を螺旋状に取り巻くライン
⑤アームライン
1.ディープフロントアームライン
上肢前面の深いライン
2.スーパーフィッシャルフロントアームライン
上肢前面の浅いライン
3.ディープバックアームライン
上肢後面の深いライン
4.スーパーフィッシャルバックアームライン
上肢後面の浅いライン
⑥ファンクショナルライン
体幹表面を通って対側の骨盤と下肢へ行くライン
⑦ディープフロントライン
人体の筋筋膜線の中心軸をなすライン
スパイラルライン
スパイラルライン(SL):ラセン線の経路
- 後頭骨稜/乳様突起/環椎/軸椎横突起
- 頭板状筋、頸板状筋
- 下位頚椎/上位胸椎
- (反対側へ移動し)大菱形筋、小菱形筋
- 肩甲骨内側縁
- 前鋸筋
- 肋骨外側部
- 外腹斜筋
- 腹部腱膜、白線
- (反対側へ移動し)内腹斜筋
- 腸骨稜/上前腸骨棘
- 大腿筋膜張筋、腸脛靭帯
- 脛骨の外側顆
- 前脛骨筋
- 第1中足骨底
- 長腓骨筋
- 腓骨頭
- 大腿二頭筋
- 坐骨結節
- 仙結節靭帯
- 仙骨
- 仙腰筋膜、脊柱起立筋
- 後頭骨縁
概観
- 人体をラセン上に取り巻く
- 一側の頭蓋から始まり、対側の肩、前に回って同側の臀部、膝、足底弓に行き、次いで背部を上行して頭蓋の筋膜に戻る
姿勢機能
- 人体を2重ラセンで取り巻いて、あらゆる平面で身体のバランスを保つのに役立っている
- 足底弓と骨盤角とを結び、歩行時の膝の軌道運動を決定する
- バランスが崩れるとラセン線は身体の捩り、回旋そして側方移動を起こしたり、打ち消したりする
- ラセン線の筋筋膜の大部分は他の経線にも加わって、多くの機能に関与する
運動機能
- 人体にラセンと回旋を作り出して、それを伝達することにある
アナトミートレインとは
7つの路線
①スーパーフィッシャルバックライン
足底から頭頂まで人体の後面全体を結ぶライン
②スーパーフィッシャルフロントライン
足先から頭蓋側面までの前身の前面を結合するライン
③ラテラルライン
身体の両側を走るライン
④スパイラルライン
人体を螺旋状に取り巻くライン
⑤アームライン
1.ディープフロントアームライン
上肢前面の深いライン
2.スーパーフィッシャルフロントアームライン
上肢前面の浅いライン
3.ディープバックアームライン
上肢後面の深いライン
4.スーパーフィッシャルバックアームライン
上肢後面の浅いライン
⑥ファンクショナルライン
体幹表面を通って対側の骨盤と下肢へ行くライン
⑦ディープフロントライン
人体の筋筋膜線の中心軸をなすライン
ラテラルライン
今回はアナトミートレイン、ラテラルラインについて共有していきます!
ラテラルライン(LL):外側線の経路
- 乳様突起
- 後頭骨稜
- 胸鎖乳突筋/頭板状筋/頸板状筋
- 第1・2肋骨
- 内肋間筋・外肋間筋
- 胸骨
- 外腹斜筋
- 腸骨稜・上前腸骨棘・下前腸骨棘
- 大殿筋
- 大腿筋膜張筋
- 腸脛靭帯
- 脛骨外側顆
- 前腓骨頭靭帯
- 腓骨頭
- 腓骨筋・外側下腿区画
- 第1・5中足骨底
概観
- 外側線は身体の両側を走る
- 足の内側部と外側部のそれぞれの中点から起こる
- 足根関節の外側面を回って、下腿と大腿の外側面を上行する
- 体幹では編み籠状のパターンを示し、耳のレベルで頭蓋へ行く
姿勢機能
- 姿勢では前後のバランスをとる
- 両側が働くと、左右のバランスをとる作用をする
- 浅前線、浅後線、腕線、ラセン線の間で力を伝達する
運動機能
アナトミートレインとは
7つの路線
①スーパーフィッシャルバックライン
足底から頭頂まで人体の後面全体を結ぶライン
②スーパーフィッシャルフロントライン
足先から頭蓋側面までの前身の前面を結合するライン
③ラテラルライン
身体の両側を走るライン
④スパイラルライン
人体を螺旋状に取り巻くライン
⑤アームライン
1.ディープフロントアームライン
上肢前面の深いライン
2.スーパーフィッシャルフロントアームライン
上肢前面の浅いライン
3.ディープバックアームライン
上肢後面の深いライン
4.スーパーフィッシャルバックアームライン
上肢後面の浅いライン
⑥ファンクショナルライン
体幹表面を通って対側の骨盤と下肢へ行くライン
⑦ディープフロントライン
人体の筋筋膜線の中心軸をなすライン
スーパーフィッシャルフロントライン
今回はアナトミートレイン、スーパーフィッシャルフロントラインについて共有していきます!
スーパーフィッシャルフロントライン(SFL):浅前線の経路
- 頭皮筋膜
- 乳様突起
- 胸鎖乳突筋
- 胸骨柄
- 胸骨筋膜
- 胸骨筋
- 第5肋骨
- 腹直筋
- 恥骨結合
- 下前腸骨棘
- 大腿直筋/大腿四頭筋
- 膝蓋骨
- 膝蓋靭帯
- 脛骨粗面
- 前脛骨筋、長趾伸筋、短指伸筋、前下腿区画
- 趾骨の背側面
概観
- 足趾から骨盤までの部分と、骨盤から頭蓋までの部分の2つの部分を接続する
- 足先から頭蓋側面までの前身の前面を結合するライン
- この2つの部分は起立に際して股関節を伸展すると、一本の統合された筋筋膜の連続線として作用する
姿勢機能
- 浅前線と浅後線は機能的に互いに拮抗する
- 浅前線は足趾を伸展し、浅後線は足趾を屈曲する
- 前後方向の姿勢のバランスは、主に全身を通る浅前線と浅後線の間の緩やかな関係あるいは緊張状態のどちらかによって維持される
- 浅前線の筋筋膜は、直立時の膝伸展を維持する
- 腹腔内臓は浅前線の筋筋膜の張力によって保護されている
運動機能
- 浅前線の収縮により、体幹と股関節の屈曲、膝関節の伸展、足根関節の背屈、足趾の伸展が起こる
- いろいろな関節において強い屈曲運動を起こすためには、速筋繊維が多く含まれていなければならない
- 速反応性の浅前線と持続性の浅後線との相互作用がみられるのは、一方の線が伸展して、他方の線が収縮しなければならないときである
アナトミートレインとは
7つの路線
①スーパーフィッシャルバックライン
足底から頭頂まで人体の後面全体を結ぶライン
②スーパーフィッシャルフロントライン
足先から頭蓋側面までの前身の前面を結合するライン
③ラテラルライン
身体の両側を走るライン
④スパイラルライン
人体を螺旋状に取り巻くライン
⑤アームライン
1.ディープフロントアームライン
上肢前面の深いライン
2.スーパーフィッシャルフロントアームライン
上肢前面の浅いライン
3.ディープバックアームライン
上肢後面の深いライン
4.スーパーフィッシャルバックアームライン
上肢後面の浅いライン
⑥ファンクショナルライン
体幹表面を通って対側の骨盤と下肢へ行くライン
⑦ディープフロントライン
人体の筋筋膜線の中心軸をなすライン
スーパーフィッシャルバックライン
今回はアナトミートレイン、スーパーフィッシャルバックラインについて共有していきます!
スーパーフィッシャルバックライン(SBL):浅後線の経路
概観
- 足底から頭頂まで人体の後面全体を結ぶライン
- 足趾から膝窩、そして膝窩から眉までの2部からなる
- 起立時のように膝を伸展すると、浅後線は1本に統合された筋筋膜の連続線として作用する
姿勢機能
- 完全な伸展状態に維持し、前方に屈曲する傾向を防ぐことにある
- 日常的な姿勢機能には、収縮速度が遅く、持続的収縮性の高い筋繊維が多くなければならない
- 恒常的な姿勢機能には、強靭な筋膜層と筋膜帯が必要である
- アキレス腱、ハムストリングス、仙結節靭帯、胸腰筋膜、脊柱起立筋などがこれに相当する
運動機能
- 伸展と過伸展を引き起こすことにある
- 生後約1年の各発達段階において、子供が直立安定性を獲得するにつれて、浅後線の筋は子供の頭を胎児性の屈曲状態から持ち上げる
- 次第に眼や身体の他の部分を使って達成される
アナトミートレインとは
7つの路線
①スーパーフィッシャルバックライン
足底から頭頂まで人体の後面全体を結ぶライン
②スーパーフィッシャルフロントライン
足先から頭蓋側面までの前身の前面を結合するライン
③ラテラルライン
身体の両側を走るライン
④スパイラルライン
人体を螺旋状に取り巻くライン
⑤アームライン
1.ディープフロントアームライン
上肢前面の深いライン
2.スーパーフィッシャルフロントアームライン
上肢前面の浅いライン
3.ディープバックアームライン
上肢後面の深いライン
4.スーパーフィッシャルバックアームライン
上肢後面の浅いライン
⑥ファンクショナルライン
体幹表面を通って対側の骨盤と下肢へ行くライン
⑦ディープフロントライン
人体の筋筋膜線の中心軸をなすライン
テンセグリティー構造
今回はテンセグリティー構造について共有していきます!
アナトミートレインの中であった、テンセグリティー構造としての筋骨格系について書いてあります。
- テンセグリティー構造とは
- テンセグリティー構造の特徴
- テンセグリティー構造は弾力性に富んでいる
- テンセグリティー構造に負荷がかかる時の反応
- テンセグリティー構造を人体に置き換えてみる
- パフォーマンスアップに繋げるには
テンセグリティー構造とは
- tension(張力)とintegrity(完全性)の語から造語したものである
- デザイナーであるバックミンスター・フラーが考え出した
- 連続的に圧縮力に依存することに対して、主に構造物を通る連続的張力のバランスによって、構造物の完全性を維持するような構造をさす
- 炭素原子、水分子、蛋白質、ウイルス、細胞、組織、そしてヒトその他の生き物さえも含むいろいろな自然系がテンセグリティーを利用して構築されている
【子どものための大人工作!】テンセグリティ構造【ペーパークラフト】
テンセグリティー構造の特徴
- テンセグリティー構造は張力部材と圧縮部材を組み合わせて作られている
- 圧縮部材は連続的張力の海に浮かぶ島である
- 圧縮部材は内に向かって牽引する張力部材を外へ押し出す
- この両方の力がバランスを保っている間は、その構造物は安定している
テンセグリティー構造は弾力性に富んでいる
テンセグリティー構造に負荷がかかる時の反応
- 部材1つの張力が高まると構造物全体の部材、さらに反対側にある部材においてさえも張力が高まる
- 相互連結しているすべての構造要素は、局所のストレスに反応して自ら再配列する
- 加えられるストレスが大きくなるにつれて、一層多くの部材がそのストレスの方向に位置するようになる
- その結果、材料の線形硬化が生じる
テンセグリティー構造を人体に置き換えてみる
- 骨は圧縮部材として、筋筋膜はそれを取り囲む張力部材として見ることができる
- 骨格は明らかに連続的圧縮構造に過ぎない
- 骨格を真っ直ぐ保持するためには、軟部組織のバランスが必要である
- 骨は軟部組織の中に押し込まれたスペーサーである
- 弾力性の筋筋膜の緊張がバランスの取れた構造の決定要素となる
- ある部位の傷害は、他の部位における長期のひずみによって引き起こされる
- 損傷は常に局所のひずみが原因で起こるのではなくて、元来弱いところあるいは過去の損傷が原因となって、起こるべき所に起こる
- これらの経路を見つけて、疼痛部位から離れた部位の慢性のひずみを取り除くことが、全身の快適さと秩序を回復させる
- 将来の損傷を防ごうとする自然の役割の一部を担うことになる
パフォーマンスアップに繋げるには
- 軟部組織の張力のバランスを変えると、骨は自然に再編成される
- これは、連続して軟部組織に加える操作の長所を示しており、骨を短期間で頻回に高速で押す操作についてまわる短所を意味している
- 張力が均衡状態にある筋膜内で、骨と筋が浮遊するように張力線と張力層におけるバランスの取れた緊張が目標である
- 筋筋膜経線や、さらに筋膜網全体に均一な緊張を作り出すことは、細胞および全身の健康にとって深い意味がある
アナトミートレイン
今回はアナトミートレインについて共有していきます!
アナトミートレインとは
- アナトミートレインとは、筋筋膜が無限の網で全身を連結しているという概念である。
全身には206個の骨がある。
その骨は筋や腱、靭帯、膜、筋膜などの結合組織で強固に結ばれている。
単体の筋肉ではいくつかの骨にしか結合していないが、筋肉同士が筋膜で連結をもつことで、全身が連動して動くことができるのである。
この概念を理解することは、スポーツ選手や治療者にとって非常に大切だと考えられる。
アナトミートレインを知っておくと良い2つのこと
①痛みの原因を発見するヒントになる
②全身を連動して動かすことができる
- アナトミートレインの体系がわかれば、筋骨格構造の立体感が得られ、代償とひずみの全身における分布パターンが理解できるようになる。
- 臨床的には、身体のある部位における疼痛の問題が、離れたところにあってまったく無症状の部位とどのように関係するのかを理解するのに直接応用できる。
①痛みの原因を発見するヒントになる
まず一つ目に、痛みの原因を発見するヒントになる。
例えば、肩凝りがある場合、多くの方は肩をマッサージする。
その場では凝りが楽になるが、時間が経つと凝りが元の状態に戻ってしまう、というのはよく聞く話であると思う。
肩が凝る原因が肩にあるのではなく、他の部位にあるとしたどうでしょう。
筋膜により連結している筋肉は、相互に影響を与える。
それにより、痛みを出している部位から遠くはなれた場所が原因になっている可能性が考えられる。
②全身を連動して動かすことができる
二つ目に、筋肉同士が連結していることを理解できると、全身を連動して動かすことができるようになる。
例えば、身体を反る動きをする場合、腰や首など動かしやすい部位だけを動かすことに意識が向いてしまう。
反る動きでは足の裏から頭までの後面の筋肉が連動するとしたらどうでしょう。
腰と首だけでは限られた動きになるが、背中・骨盤・股・膝・足関節など全身の繋がりを意識することで、より大きな動きになることが考えられる。
テンセグリティー構造としての筋骨格系
7つの路線
①スーパーフィッシャルバックライン
足底から頭頂まで人体の後面全体を結ぶライン
②スーパーフィッシャルフロントライン
足先から頭蓋側面までの前身の前面を結合するライン
③ラテラルライン
身体の両側を走るライン
④スパイラルライン
人体を螺旋状に取り巻くライン
⑤アームライン
1.ディープフロントアームライン
上肢前面の深いライン
2.スーパーフィッシャルフロントアームライン
上肢前面の浅いライン
3.ディープバックアームライン
上肢後面の深いライン
4.スーパーフィッシャルバックアームライン
上肢後面の浅いライン
⑥ファンクショナルライン
体幹表面を通って対側の骨盤と下肢へ行くライン
⑦ディープフロントライン
人体の筋筋膜線の中心軸をなすライン
掌側骨間筋
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『掌側骨間筋』について共有していきます!
起始・停止・神経支配
起始
- 第1掌側骨間筋:示指中手骨の尺側
- 第2 〃 :環指 〃 の橈側
- 第3 〃 :小指 〃 の橈側
停止
- 第1掌側骨間筋:示指の指背腱膜、基節骨底
- 第2 〃 :環指の 〃 、基節骨底
- 第3 〃 :小指の 〃 、基節骨底
神経支配
- 尺骨神経(C8~Th1)
特徴
- 第1掌側骨間筋腱は示指の尺側を走行し、第2・3掌側骨間筋腱は環指・小指の橈側を走行する
①第1~4虫様筋 ②第1~4掌側骨間筋 ③第1~3背側骨間筋
作用
筋機能の特徴
筋連結
大胸筋・広背筋 ↔ 内側筋間中隔 ↔ 前腕屈筋群 ↔ 手掌面の筋群
野球との接点
手内在筋拘縮
- MP関節屈曲位でPIP関節が屈曲でき、MP関節伸展位でPIP関節の屈曲が制限される場合、虫様筋、背側・掌側骨間筋の拘縮が存在している
肘部管症候群(尺骨神経高位麻痺)
- 尺骨神経麻痺では鷲手変形が有名だが、尺骨神経麻痺だけでは橈側2本に虫様筋の機能が残存するため純粋な鷲手とはならない
解剖学を学んでおいた方がよい理由
背側骨間筋
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『背側骨間筋』について共有していきます!
起始・停止・神経支配
起始
- 第1~5中手骨の向かい合う対向面から二頭をもって
停止
- 第1背側骨間筋:示指の指背腱膜、基節骨底の橈側
- 第2 〃 :中指の 〃 、基節骨底の橈側
- 第3 〃 :中指の 〃 、基節骨底の尺側
- 第4 〃 :環指の 〃 、基節骨底の尺側
神経支配
- 尺骨神経(C8~Th1)
特徴
- 第1~2背側骨間筋腱は示指・中指の橈側を走行し、第3~4背側骨間筋腱は中指・環指の尺側を走行する
①第1~4虫様筋 ②第1~4掌側骨間筋 ③第1~3背側骨間筋
作用
筋機能の特徴
筋連結
大胸筋・広背筋 ↔ 内側筋間中隔 ↔ 前腕屈筋群 ↔ 手掌面の筋群
野球との接点
手内在筋拘縮
- MP関節屈曲位でPIP関節が屈曲でき、MP関節伸展位でPIP関節の屈曲が制限される場合、虫様筋、背側・掌側骨間筋の拘縮が存在している
肘部管症候群(尺骨神経高位麻痺)
- 尺骨神経麻痺では鷲手変形が有名だが、尺骨神経麻痺だけでは橈側2本に虫様筋の機能が残存するため純粋な鷲手とはならない
解剖学を学んでおいた方がよい理由
虫様筋
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『虫様筋』について共有していきます!
起始・停止・神経支配
起始
- 深指屈筋腱
停止
- 第1虫様筋:示指の総指伸筋腱から指背腱膜
- 第2 〃 :中指の 〃
- 第3 〃 :環指の 〃
- 第4 〃 :小指の 〃
神経支配
- 第1~2虫様筋:正中神経(C6~7)
- 第3~4 〃 :尺骨神経(C8~Th1)
特徴
- 虫様筋は撓側2本が正中神経に、尺側2本が尺骨神経に支配される
- 撓側2本に虫様筋は深指屈筋腱の撓側に起始する
- 環指の虫様筋は中指および環指の深指屈筋腱から起始する
- 小指の虫様筋は環指および小指の深指屈筋腱から起始する
①第1~4虫様筋 ②第1~4掌側骨間筋 ③第1~3背側骨間筋
作用
筋機能の特徴
- 第2~5指のMP関節の屈曲に作用する
- 第2~5指のPIP・DIP関節の伸展に作用する
筋連結
大胸筋・広背筋 ↔ 内側筋間中隔 ↔ 前腕屈筋群 ↔ 手掌面の筋群
野球との接点
手内在筋拘縮
- MP関節屈曲位でPIP関節が屈曲でき、MP関節伸展位でPIP関節の屈曲が制限される場合、虫様筋、背側・掌側骨間筋の拘縮が存在している
肘部管症候群(尺骨神経高位麻痺)
- 尺骨神経麻痺では鷲手変形が有名だが、尺骨神経麻痺だけでは橈側2本に虫様筋の機能が残存するため純粋な鷲手とはならない
解剖学を学んでおいた方がよい理由
深指屈筋
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『深指屈筋』について共有していきます!
起始・停止・神経支配
起始
- 尺骨内側面
- 前腕骨間膜
停止
- 示指から小指までの末節骨底掌側
神経支配
- 示指・中指:正中神経
- 環指・小指:尺骨神経(C7~Th1)
特徴
- 深指屈筋は前腕掌側にある屈筋群の深層に位置し、筋腹はほぼ尺側半分に位置する
- 前腕の中央部では尺骨を取り巻くように位置し、深層筋ではあるが皮膚の直下で触れることができる
- 停止部では浅指屈筋腱が2分した間を深指屈筋腱が通過し、末節骨底に付着する
- 示指・中指に向かう深指屈筋は正中神経に支配され、環指・小指に向かう深指屈筋は尺骨神経に支配される
①深指屈筋 ②長母指屈筋 ③方形回内筋
作用
筋機能の特徴
- DIP関節の屈曲に唯一作用する
- MP・PIP関節の屈曲に作用する
- 手関節の掌屈に作用する
- 示指以外の深指屈筋は一般に分離が悪く、環指から小指の深指屈筋を独立して働かせることができない(浅指屈筋と対比している)
筋連結
大胸筋・広背筋 ↔ 内側筋間中隔 ↔ 前腕屈筋群 ↔ 手掌面の筋群
野球との接点
フォルクマン拘縮
- 上腕骨顆上骨折の合併症として有名で、肘部における強い圧迫が原因で生じる阻血性拘縮である
- 深層筋群である深指屈筋、長母指屈筋が障害される場合が多い
- 4P徴候(Pain:疼痛、Paresthesia:知覚異常、Paralysis:麻痺、Pulselessness:脈拍消失)のチャックが大切である
解剖学を学んでおいた方がよい理由
橈骨輪状靭帯
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『橈骨輪状靭帯』について共有していきます!
起始・停止
起始
- 尺骨の橈骨切痕前縁
停止
- 尺骨の橈骨切痕後縁
特徴
- 肘関節の外側を補強する靭帯で、肘関節内反を制動する
- 外側側副靭帯の前方部は肘関節の伸展により緊張し、後方部は屈曲により緊張する
- fibro-osseous ringとは尺骨の橈骨切痕と橈骨輪状靭帯により構成されるリングであり、橈骨頭の関節環状面を取り囲んでいるため、近位橈尺関節は安定する
外側側副靭帯の2点間距離
- 中間線維(L2)は屈曲角度に関係なく一定の距離を保つ
- 後方走線維(L3)は屈曲に伴う2点間距離は大きくなる
野球との接点
上腕骨外側上顆炎
- 上腕骨外側上顆炎の症例では、外側側副靭帯自体に強い圧痛を有する例も散見される
- 外側上顆炎の病態についてはCyriaxの報告が有名であり、25の病態についてまとめている
- 6つの大別を記す
- 外側上顆の起始部の断裂・線維化・変性
- 輪状靭帯の病変
- 滑膜炎
- 神経炎
- 関節症
- 頸神経病変
前腕の回内制限
- 橈骨輪状靭帯や外側側副靭帯の短縮は、前腕回内制限の原因になる
- 前腕の回内に付随して橈骨頭はfibro-osseous ringの中で外方傾斜とともに約2mm外側へ変位し同時に後方へ移動する
- 橈骨輪状靭帯には回旋に伴う橈骨頭の運動を許容するだけの柔軟性が必要である
解剖学を学んでおいた方がよい理由
肘外側側副靭帯
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『肘外側側副靭帯』について共有していきます!
起始・停止
起始
- 上腕骨外側上顆
停止
- 橈骨輪状靭帯
特徴
- 肘関節の外側を補強する靭帯で、肘関節内反を制動する
- 外側側副靭帯の前方部は肘関節の伸展により緊張し、後方部は屈曲により緊張する
外側側副靭帯の2点間距離
- 中間線維(L2)は屈曲角度に関係なく一定の距離を保つ
- 後方走線維(L3)は屈曲に伴う2点間距離は大きくなる
野球との接点
投球障害肘
- スポーツによる肘関節障害は内側型、外側型、後方型に分類される
- 投球障害では内側型の頻度が圧倒的に多い
- 外側型、後方型では骨性の原因が大部分を占める
- 外側型
- 外側性離断性骨軟骨炎
- 関節遊離体
- 外側上顆炎
- 後方型
- 遊離体形成
- 肘頭骨端線離開、疲労骨折
- 骨端線閉鎖遅延
- 骨棘形成(肘頭)
- 変形性肘関節症
- インピンジメント障害
外側側副靭帯損傷
- 肘関節に強力な内反負荷が加わったときに、その制動組織である外側側副靭帯が断裂する
- 外側側副靭帯の断裂では著明な内反不安定性が出現する
- 内反ストレステスト:前腕回内位、肘関節軽度屈曲位(伸展位では骨性に腕尺関節が安定するため、正しい結果が得られない場合がある)で内反負荷を加え痛みがある場合、陽性である
上腕骨外側上顆炎
- 上腕骨外側上顆炎の症例では、外側側副靭帯自体に強い圧痛を有する例も散見される
解剖学を学んでおいた方がよい理由
小指伸筋
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『小指伸筋』について共有していきます!
起始・停止・神経支配
起始
- 上腕骨外側上顆
停止
- 小指に向かう総指伸筋腱の延長部
神経支配
- 橈骨神経(C6~C8)
特徴
- 小指伸筋は総指伸筋の尺側に向かって走行する前腕伸筋群の浅層筋の一つである
- 小指伸筋腱は第5区画を通過する
①総指伸筋 ②小指伸筋 ③尺側手根伸筋
作用
筋機能の特徴
- 小指のMP関節、PIP関節、DIP関節の伸展に作用する
- 手関節の背屈に補助的に作用する
- 肘関節の伸展に補助的に作用する
筋連結
野球との接点
上腕骨外側上顆炎
- 上腕骨外側上顆炎は外側上顆に起始する筋腱の付着部炎である
- その疼痛の発生には短橈側手根伸筋や総指伸筋が疼痛の引き金になる場合が多い
- 外側上顆炎に対する保存療法として、短橈側手根伸筋に対する個別的ストレッチングは症状の改善に有効である