深指屈筋
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『深指屈筋』について共有していきます!
起始・停止・神経支配
起始
- 尺骨内側面
- 前腕骨間膜
停止
- 示指から小指までの末節骨底掌側
神経支配
- 示指・中指:正中神経
- 環指・小指:尺骨神経(C7~Th1)
特徴
- 深指屈筋は前腕掌側にある屈筋群の深層に位置し、筋腹はほぼ尺側半分に位置する
- 前腕の中央部では尺骨を取り巻くように位置し、深層筋ではあるが皮膚の直下で触れることができる
- 停止部では浅指屈筋腱が2分した間を深指屈筋腱が通過し、末節骨底に付着する
- 示指・中指に向かう深指屈筋は正中神経に支配され、環指・小指に向かう深指屈筋は尺骨神経に支配される
①深指屈筋 ②長母指屈筋 ③方形回内筋
作用
筋機能の特徴
- DIP関節の屈曲に唯一作用する
- MP・PIP関節の屈曲に作用する
- 手関節の掌屈に作用する
- 示指以外の深指屈筋は一般に分離が悪く、環指から小指の深指屈筋を独立して働かせることができない(浅指屈筋と対比している)
筋連結
大胸筋・広背筋 ↔ 内側筋間中隔 ↔ 前腕屈筋群 ↔ 手掌面の筋群
野球との接点
フォルクマン拘縮
- 上腕骨顆上骨折の合併症として有名で、肘部における強い圧迫が原因で生じる阻血性拘縮である
- 深層筋群である深指屈筋、長母指屈筋が障害される場合が多い
- 4P徴候(Pain:疼痛、Paresthesia:知覚異常、Paralysis:麻痺、Pulselessness:脈拍消失)のチャックが大切である