橈骨輪状靭帯
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『橈骨輪状靭帯』について共有していきます!
起始・停止
起始
- 尺骨の橈骨切痕前縁
停止
- 尺骨の橈骨切痕後縁
特徴
- 肘関節の外側を補強する靭帯で、肘関節内反を制動する
- 外側側副靭帯の前方部は肘関節の伸展により緊張し、後方部は屈曲により緊張する
- fibro-osseous ringとは尺骨の橈骨切痕と橈骨輪状靭帯により構成されるリングであり、橈骨頭の関節環状面を取り囲んでいるため、近位橈尺関節は安定する
外側側副靭帯の2点間距離
- 中間線維(L2)は屈曲角度に関係なく一定の距離を保つ
- 後方走線維(L3)は屈曲に伴う2点間距離は大きくなる
野球との接点
上腕骨外側上顆炎
- 上腕骨外側上顆炎の症例では、外側側副靭帯自体に強い圧痛を有する例も散見される
- 外側上顆炎の病態についてはCyriaxの報告が有名であり、25の病態についてまとめている
- 6つの大別を記す
- 外側上顆の起始部の断裂・線維化・変性
- 輪状靭帯の病変
- 滑膜炎
- 神経炎
- 関節症
- 頸神経病変
前腕の回内制限
- 橈骨輪状靭帯や外側側副靭帯の短縮は、前腕回内制限の原因になる
- 前腕の回内に付随して橈骨頭はfibro-osseous ringの中で外方傾斜とともに約2mm外側へ変位し同時に後方へ移動する
- 橈骨輪状靭帯には回旋に伴う橈骨頭の運動を許容するだけの柔軟性が必要である
解剖学を学んでおいた方がよい理由