オーバーヘッドスポーツスコア 肩甲骨のアライメント評価・関節可動域の評価・肩関節回旋腱板の筋力評価・関節の不安定性の評価・疼痛の再現性の評価
今回はオーバーヘッドスポーツスコアについて共有していきます!
- オーバーヘッドスポーツスコアとは?
- オーバーヘッドスポーツスコアの目的は?
- 5つのカテゴリー
- 肩甲骨のアライメント評価
- 関節可動域の評価
- 肩関節回旋腱板の筋力評価
- 関節の不安定性の評価
- 疼痛の再現性の評価
- 参考文献
オーバーヘッドスポーツスコアとは?
オーバーヘッドスポーツスコアとは、野球肩理学所見11項目のことをいいます!
①SSD (scapula spine distance)
②CAT (combined abduction test)
③HFT (horizonal flexion test)
④徒手筋力検査:棘上筋
⑤ 〃 :棘下筋
⑥ 〃 :肩甲下筋
⑦ 〃 :前鋸筋
⑧ 〃 :上腕三頭筋⑨Sulcus test (下方動揺性)
Load and sift test (前後動揺性)
⑩Neer test
Hawkins sign
⑪HERT (hyper external rotation test)
原正文先生が執筆された『投球障害肩のリハビリテーション治療』で紹介されています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/55/6/55_55.495/_pdf
オーバーヘッドスポーツスコアの目的は?
投球障害肩の診断補助になる
- 補助診断法のX線検査や超音波検査やる野球肩理学所見を取り入れ、診断精度を上げていく
- 肩が痛くて投球できないと訴えて来院した選手に対する診断の原則は、画像評価そのものではなく、あくまでもその選手の理学所見を基盤とした画像所見を含めた医学的評価である
選手自身に異常な身体所見を自覚してもらうツールになる
- ほとんどの選手は自分の身体のどこに異常があって投げられないのかを知らない
- そこで、選手に異常な理学所見を自覚してもらう必要がある
- 身体の異常状態を自身に体感させることで、本人も納得するものである
治療の効果判定になる
- テストを施行し、これらの理学所見が異常な場合、治療経過とともに異常所見が正常化することで治療の評価としている
- リハビリテーションを行うことでこれらの項目が正常化することを選手が自覚できるので、復帰に向けての目安になる
5つのカテゴリー
肩関節の診察を5つのカテゴリーに分類してみていく。
- 肩甲骨のアライメント評価
- 関節可動域の評価
- 肩関節回旋腱板の筋力評価
- 関節の不安定性の評価
- 疼痛の再現性の評価
肩甲骨のアライメント評価
①SSD (scapula spine distance)
- 肩甲骨の変位を観察していく。
関節可動域の評価
②CAT (combined abduction test)
③HFT (horizonal flexion test)
- 肩甲上腕関節の角度を評価していく。
肩関節回旋腱板の筋力評価
④徒手筋力検査:棘上筋
⑤ 〃 :棘下筋
⑥ 〃 :肩甲下筋
⑦ 〃 :前鋸筋
⑧ 〃 :上腕三頭筋
- 腱板機能を含む回旋筋力の評価をしていく。
関節の不安定性の評価
⑨Sulcus test (下方動揺性)
Load and sift test (前後動揺性)
- 肩関節の不安定性の評価をしていく
疼痛の再現性の評価
⑩Neer test
Hawkins sign
⑪HERT (hyper external rotation test)
- 肩峰下部の第2肩関節の疼痛を再現させるimpingement testを評価する
参考文献
投球障害肩のリハビリテーション治療 (Jpn J Rehabil Med 2018;55:495-501 原正文)