運動パターンテスト (Janda のテスト)

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運動パターンテスト (Janda のテスト)

  • 過緊張筋は拮抗筋を抑制し、異常運動パターンの原因となる

 

  • そして、異常運動パターンは特定の組織にストレスをかける原因となり、習慣化することにより機能障害や痛みを起こす

 

  • 単関節筋には関節の軸を固定する役割があるのに対して、多関節筋はレバーアームが長く、強い力を出す役割がある

 

  • 両方が協調的に働くことが望ましいが、一般的に多関節筋は過緊張に陥りやすく、短関節筋とのインバランスを生み出し、運動パターンを変えてしまう

 

  • このマッスルインバランスによる異常運動パターンを評価し、機能障害の原因を特定することが治療プログラムを立てるうえで重要になる

 

 『マッスルインバランスと姿勢』について復習したい方はこちら

 

『4つの姿勢不良』について復習したい方はこちら

 

 

1.片脚立ちテスト

評価する項目
  • 協調性
  • バランス能力

 

方法
  • 立位で片脚を上げ、バランスを維持する
  • 開眼、閉眼それぞれ30秒行う

 

所見
  • トレンデレンブルグ、逆トレンデレンブルグ
  • 体幹動揺
  • 膝関節:内反、外反
  • 足関節動揺

 

解釈
  • トレンデレンブルグ徴候や骨盤の側方変位の有無を観察する

 

  • 例えば、トレンデレンブルグ徴候が認められる場合、中殿筋の弱化ばかりでなく、大腿筋膜張筋の過緊張、腰方形筋の過緊張が認められることがある

 

  • 膝関節の内反が認められる場合、股関節内転筋群・大腿筋膜張筋の過剰活動、中殿筋・大殿筋の弱化の可能性がある

 

  • 逆に、膝関節の外反が認められる場合、大腿二頭筋・梨状筋の過剰活動、中殿筋・大殿筋の弱化の可能性が考えられる

 

  • 足関節の回内が認められる場合、偏平足、外反母趾の可能性がある

 

  • バランスをとるために股関節で動揺するか、足関節で動揺するかを観察する

 

 

2.スクワットテスト

評価する項目
  • 動作時姿勢における体幹・下肢の協調性 

 

方法
  •  上肢を前方に水平挙上、両足は肩幅、大腿が水平になるまで屈曲する

 

所見
  • 腰椎:後弯、ニュートラル、前傾過剰
  • 骨盤:後傾、前傾過剰
  • 膝関節:内反、ニュートラル、外反
  • 足関節:背屈過剰、つま先立ち

 

解釈
  • 股関節に比べて相対的に体幹が柔らかい場合は、腰椎前弯の減少が起こり、椎間板ヘルニアなどの原因になる

 

  • 脊柱起立筋が 過緊張な場合は、腰椎前弯が過剰となり椎間関節の障害やすべり症、分離症の原因となる

 

  • 膝関節の内反が伴う場合、股関節内転筋群の過剰活動、中殿筋の弱化の可能性が予測される

 

  • 踵が浮いてしまう場合、下腿三頭筋の過緊張の可能性がある

 

 

3.股関節伸展テスト

評価する項目
  • 主動作筋である大殿筋とハムストリングス、協働筋である脊柱起立筋、拮抗筋である腸腰筋と大腿直筋の機能を評価する

 

方法
  • 腹臥位
  • 股関節伸展の運動パターンを観察する
  • 10~20°伸展してもらう

 

所見
  • ハムストリングス⇒大殿筋⇒反対側起立筋⇒同側起立筋の順番に収縮しているか
  • 脊柱前弯過剰になっていないか
  • 膝関節は屈曲していないか
  • 股関節伸展可動域は減少していないか

 

解釈
  • 正常な運動パターンでは、最初にハムストリングス、次に大殿筋が活動し、その後、反対側の脊柱起立筋から同側の脊柱起立筋の順に活動する

 

  • 例えば、脊柱起立筋が過緊張の場合、腰椎の前弯が生じ、ハムストリングスが過緊張の場合、膝関節屈曲が認められる

 

  • 腸腰筋が過緊張であれば、伸展可動域の減少が認められる

 

  • 腸腰筋の過緊張は相反抑制により、大殿筋の活動を抑制する

 

  • このため、大殿筋は相対的に弱化を示すことが多い

 

  • このマッスルインバランスにより股関節伸展が腰椎前弯で代償されると、腰椎に過剰なストレスがかかる

 

 

4.股関節外転テスト

評価する項目
  • 主動作筋である中殿筋、協働筋である大腿筋膜張筋・腰方形筋・梨状筋、拮抗筋である股関節内転筋群の機能を評価する

 

方法
  • 側臥位
  • 股関節外転の運動パターンを観察する
  • 股関節は屈曲・伸展0°
  • 45°外転してもらう

 

所見
  •  中殿筋⇒大腿筋膜張筋⇒腰方形筋の順に収縮しているか
  • 脊柱後弯していないか
  • 股関節屈曲、外旋していないか
  • 外転可動域が減少していないか (<40°)

 

解釈
  • 正常な運動パターンでは最初に中殿筋が活動し、その後、大腿筋膜張筋、腰方形筋が活動する

 

  • その間、股関節屈曲-伸展は0°に保たれる

 

  • 例えば、大腿筋膜張筋が過緊張な場合、股関節が屈曲し、腰方形筋が過緊張な場合、体幹が側屈し、梨状筋が過緊張の場合、股関節の外旋が認められる

 

  • 股関節内転筋群が過緊張の場合、可動域の減少が認められる

 

  • いずれも中殿筋は抑制され、相対的に弱化を示すことが多い

 

  • 股関節外転運動が腰椎側屈や回旋で代償されると、腰椎に過剰なストレスがかかる

 

 

5.体幹屈曲テスト

評価する項目
  •  主動作筋である腹直筋、協働筋・安定筋である腸腰筋、拮抗筋である脊柱起立筋の機能を評価する

 

方法
  • 背臥位
  • 下肢屈曲位
  • 肩甲帯が床から離れるように上体を起こす

 

所見
  •  足底が床から離れていないか
  • 脊柱の後弯が十分に出ているか
  • 下顎が突出していないか

 

解釈
  • 腸腰筋の過緊張がある場合、足部が床から離れ、脊柱起立筋の過緊張がある場合、脊柱の弯曲が少なくなる

 

  • 後頭下筋群が過緊張であれば、下顎が突出する

 

 

6.静的背筋持久力テスト

評価する項目
  • 多裂筋、脊柱起立筋、殿筋群、ハムストリングスの静的筋持久力を評価する

 

方法
  • 治療台から状態を出した肢位
  • 脊柱の伸展を維持し、その時間を測定する

 

所見
  • 痛みはないか
  • 震えなどで途中で中止にならないか
  • 最大4分まで可能か

 

 

 

参考文献

理学療法士列伝ーEBMの確立に向けて 荒木茂 マッスルインバランスの考え方による腰痛症の評価と治療 (三輪書店 2012年9月10日)