ピッチング 指導者が着目する投球動作

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熟達した指導者が着目する投球動作

指導の着眼点は多岐にわたる

  •  中学生から大学生まで25人の投手の動作ビデオを11人の熟練した指導者にみてもらって、投球動作の指導上の着眼点を調査した

 

  • それによると、以下の点が明らかになった

 

  • 投球腕や体幹に対する指摘が最も多かったが、いずれも指摘全体の約20%であり、着眼する部位は眼から足先まで多岐にわたっていた

 

  • 指摘が多く、かつ同じ党首に対する評価が一致していたのは、『ストライド期の “くの字” 姿勢など投手を前から見た体幹の姿勢』、『ストライド期から加速期にかけての巻き付くような投球腕の動き』、『ストライド期からボールリリースにかけての投球腕の挙がり具合(肩外転位)』の3カテゴリーであった

 

  • 最も指摘が多かった『ストライド期から腕が最もしなる時(最大外旋時)にかけての腰部や胸部の “入れ替え” や “開き” 』から、指摘が多かった『投球動作全般にわたる協調性』、『肩の外転運動を除く投球腕のテイクバック動作』、『主にバランスポジションからストライド期にかけてのピボット脚への荷重』、『着地からボールリリースにかけてのストライド足への荷重』までを含む9カテゴリーにおいて、同一投手の動作の評価が指導者間で食い違うケースが認められた

 

  • 同一投手に対する指導の優先順位は指導者間で大いに異なっていた

 

  • このように着眼点が多岐にわたり、かつ重要と考えられる項目において熟練した指導者間でも評価が分かれるのは、投球動作の指導の難しさを物語っているとまとめられている

 

  • 評価が一致していたカテゴリーは見てわかりやすい、食い違ったカテゴリーはわかりにくいということになる

 

 

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頻出カテゴリーを表すイメージ図

(画像引用:科学する野球 ピッチング&フィールディング)   

 

 

( a ) ストライド期からMERにかけても腰部や胸部の “入れ替え” や “開き”

( b ) 主にバランスポジションからストライド期にかけてのピボット脚への荷重

( c ) 肩の外転動作を除く投球腕のテイクバック動作

( d ) ストライド期から加速期にかけての巻き付くような投球腕の使い方

( e ) 着地からボールリリースにかけてのストライド足への荷重

( f ) ストライド期からボールリリースにかけてのストライド足への荷重

( g ) 投球動作全般にわたる協調性

( h ) ストライド期の “くの字” 姿勢など投手を前から見た体幹の姿勢

 

指導者は体幹の回転の良し悪しを重視している

  •  さらに、この11人の指導者で共通した着眼点を調べ、その好ましくない動作の因果関係をまとめた調査がある

 

  1. 軸脚にしっかりと体重を乗せないで投球方向に出ることは、体幹が早期に開いてしまうことや、踏み出した足への体重移動がうまくいかないことにつながる
  2. 腕を肩よりも水平後ろに持っていき過ぎる(肩関節水平伸展過多)や、肘を伸ばし過ぎる(肘関節伸展過多)など、テイクバック動作に欠陥があると、投球腕が耳元で巻き付くようなしなやかな動きができなくなるとともに、腕の挙がり具合(肩関節外転)が不十分になる。それによって、体幹の開きが早くなることも指摘された。特に、肩関節伸展が大き過ぎると体幹の開きを誘発する
  3. グラブ側の腕を伸ばし過ぎると体幹が早期に開くことにつながり、その腕をうまく畳まないと体幹の回転が不十分になる
  4. 頭部を体幹長軸と異なる方向に曲げることは、体幹の回転に悪影響を及ぼす

 

 

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投球腕の巻き付き動作の概念図

(画像引用:科学する野球 ピッチング&フィールディング)   

 

 

  • こうした好ましくない動作の因果関係を挙げることによって

 

  • 逆に優れた動作とは何か、を浮き上がらせることができたと考えられている

 

  •  まとめられた因果関係の結果のほうは、ほとんどが体幹の回転、あるいは開きになっていて、指導者は体幹の回転の良し悪しを重視していることが伺われる

 

幅広い年齢層に適用可能な着眼点がある

  • 投球動作の指導における共通認識の高い着眼点を明らかにするために、プロ、高校、中学の指導者にアンケート調査をした結果がある

 

  • それによると、幅広い年齢層に適応可能な着眼点がある

 

  • バランスポジション付近において、軸脚の膝を外に向けないこと

 

  • バランスポジション付近において、軸脚がずれないようにすること

 

  • ステップ中、投球側およびグラブ側の前腕を親指側に絞る(回内)こと

 

  • ステップ時に踏み出し足を回し込むように出さないこと

 

  • テイクバック時に投球腕を肩より水平後ろに持って行かない(肩関節を水平伸展しない)こと

 

  • ステップ時に投球方向と平行になるように両肩を結ぶ線が出ること

 

 

 

 

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参考文献

科学する野球 ピッチング&フィールディング (ベースボールマガジン 2016年10月25日 平野裕一)