筋攣縮と筋短縮 治療方法

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この記事は次のような人におススメ!

筋攣縮と筋短縮に対する治療方法を知りたい!

 

 

生理的機序

筋攣縮と筋短縮の生理的機序を復習したい方はこちら

 

筋攣縮と筋短縮を見分ける評価

筋攣縮と筋短縮を見分ける評価法について復習したい方はこちら

 

運動療法

  • 筋攣縮および筋短縮に対する運動療法の一つとして、反復性等尺性収縮とストレッチングを組み合わせた方法を効果的に活用している
  • 筋攣縮に対する運動療法の目的は、筋緊張の緩和である
  • 筋短縮に対する運動療法の目的は、筋の伸張性を獲得することである

 

反復性等尺性数宿の生理学的機序

  • 等尺性収縮がもつ機能的特性として、筋の基本構造は筋腹を中心にして両端には腱が位置し、腱は骨に固着している
  • そのため、一方の関節を固定したまま筋収縮を行うと、両端の腱を中心に引き付ける力が発生する
  • 基本的に腱の伸張度は乏しく、筋収縮した分の足りない長さは筋腱移行部で負担することになる
  • つまり、等尺性収縮は筋腱移行部に効果的な伸張刺激が入る有効な方法であるといえる

 

ゴルジ腱器官の興奮によるIb抑制
  • 等尺性収縮に伴う筋腱移行部への伸張刺激により、ゴルジ腱器官が反応することで、脊髄レベルにおいて抑制性介在ニューロンを介した筋の弛緩が得られる
  • ゴルジ腱器官の閾値は意外に低く、軽度の伸張刺激でも十分に反応することが知られている
  • そのため、筋攣縮では軽い等尺性収縮を反復して行うことで緊張が緩み、伸長に対する抵抗が減少する

 

筋節の増加・合成と筋の伸張性獲得
  • 筋腱移行部への伸張刺激が筋の構成単位であるフィラメントの再合成を促進することが報告されている
  • 筋を適度に伸張させた肢位で等尺性収縮を行うと、筋腱移行部への有効な伸張刺激を加えることが可能であり、筋節の再合成を促す
  • これに、持続伸長に伴う筋膜の柔軟性の改善を併用すると効果的である

 

筋ポンプ作用の利用による筋内発痛物質の排除
  • 反復的に筋収縮を行うと筋ポンプ作用により筋内の血液循環やリンパ液還流を促通するため、筋内浮腫の改善とともに発痛関連物質の除去に有効である
  • 筋攣縮は圧痛所見を認めるが、軽い反復性等尺性収縮を繰り返し行うことで、徐々に圧痛が軽減するとともに、筋緊張も低下する様子がよく観察できる

 

反復性等尺性収縮の臨床応用

  •  大事な点は筋収縮の強さと等尺性収縮にかける時間の長さを使い分けることである
  • 同時に等尺性収縮の後には必ず自動介助運動を加えることがポイントである

 

筋攣縮に対する反復性等尺性収縮

  • 筋収縮の強さは最大筋収縮時の5~10%程度とし、収縮時痛を伴わない範囲内とする

 

烏口腕筋が筋攣縮しているケースでの治療方法

  1. 肩関節45°外転位から軽度伸展・内旋位を開始肢位とする
  2. そこから肩関節を屈曲・外旋方向に軽い等尺性収縮を行う
  3. その後は自動介助により運動を促す
  4. 続いて、肩関節伸展・内旋方向に自動介助運動を行い、烏口腕筋の伸張刺激や疼痛が生じない角度まで徐々に広げていく
  5. 圧痛所見の軽減と筋緊張の低下が得られるまで繰り返し行う

 

筋短縮に対する反復性等尺性収縮

  • 筋収縮の強さは最大収縮時の10~20%程度にとどめておく
  • それ以上の強要は目的以外の筋まで収縮が生じるため注意する

 

上腕三頭筋が短縮しているケースの治療方法

  1. 肘関節を最大屈曲させたまま肩関節を屈曲し、上腕三頭筋長頭の筋膜や筋線維に適度な伸張刺激を加え、開始肢位とする
  2. そこから肩関節伸展・肘関節伸展方向に等尺性収縮を十分に行う
  3. その後は自動介助により運動を促す
  4. 続いて、肩関節および肘関節を屈曲方向に自動運動介助を行い、上腕三頭筋長頭の伸張刺激や疼痛が生じない角度まで徐々に広げていく
  5. 肘関節を最大屈曲位での肩関節屈曲角度の増大や抵抗感が減弱するまで繰り返し行う