関節可動域制限に対する評価

今回は『関節可動域制限に対する評価』について共有していきます!

 

 

関節可動域制限発生のメカニズム

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関節可動域制限とは?

強直

  • 関節構成体である骨・軟骨・補強靭帯などの変化に基づいておこる運動障害である
  • リハビリの手技ではほとんど治療困難なもの

 

短縮

  • 皮膚・筋・腱・神経・血管などの変化に基づいておこる運動障害である
  • 完全に、またはある程度改善される余地のあるもの

 

2種類の結合組織

  • 創傷部が治癒していく過程で、その部の運動が保たれていれば「粗」な結合組織ができてくる
  • 運動が制限されると、「密」な結合組織が繁殖し、その部の運動性は著しく妨げられ、拘縮が発生する

 

  • 関節包・筋内結合組織層・皮下組織など
  • いずれも常に動きのある場所

 

  • 筋被膜・腱膜など
  •  密な目の詰んだ網状をなしている
  • 瘢痕などを作る

 

関節可動域制限の主な原因

  1. 筋  :43%
  2. 関節包:30%
  3. 皮膚 :19%
  4. 靭帯  :8%

 

筋による関節可動域制限

攣縮

攣縮による伸張性低下

  • 圧痛所見  :(+)
  • 伸張位筋緊張:(⇧)
  • 短縮位筋緊張:(⇧)
  • 脊髄腱反射 :(⇧) 

ラクセーション(筋エネルギーテクニック)が適応

 

短縮

短縮による伸張性低下

  • 圧痛所見  :(-)
  • 伸張位筋緊張:(⇧)
  • 短縮位筋緊張:(⇩)
  • 脊髄腱反射 :(正常) 

ストレッチが適応

 

評価の手順

次の3ステップにより評価を行う

  1. 自動運動
  2. 関節終端感覚
  3. 反復運動

 

1.自動運動

  • 自動運動により、大まかに組織破壊や脆弱性の有無を見分ける
  • 終端時痛(+):機能障害である可能性が高い ⇒ 関節終端感覚の評価へ
  • 運動時痛(+):直接法は禁忌 ⇒ 以下の評価へ
  1. 3方向以上の動きで同じ部位が痛む:強い炎症の可能性あり ⇒ 手技療法は禁忌、隣接部位の評価とアプローチ
  2. 1方向のみ同一部位が痛む:弱い炎症の可能性あり ⇒ 関節法、もしくは隣接部位の評価とアプローチ

 

2.関節終端感覚

  • 関節終端感覚により組織破壊や脆弱性の有無を分節的に見分ける
  • 骨性の硬さ:重度の変形・癒合 ⇒ 手技療法は禁忌
  • 硬い弾性力:機能障害の可能性 ⇒ 反復運動の評価へ
  • 軟らかい弾性力:正常もしくは過剰運動・不安定性 ⇒ アプローチの必要性なし

 

3.反復運動

  • 組織の緊張、短縮かスパズム、損傷化を10~20回の反復運動によって鑑別する
  • 疼痛の軽減もしくは領域の減少、可動域の拡大:体性機能障害(緊張・短縮) ⇒ 直接的アプローチの適応
  • 疼痛の悪化もしくは領域の拡大、可動域の減少:組織損傷やスパズム ⇒ 直接的アプローチは禁忌、関節法もしくは隣接部位の評価