椎間関節
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『椎間関節』について共有していきます。
- 椎間関節
- 関節包
- 胸椎からみた関節運動部の構造と負荷量
- 頚椎の可動域
- 胸椎・腰椎の可動域
- 各脊椎における平均可動域
- ショーバー法とオット法による胸椎と腰椎の屈曲範囲の計測
- 野球選手が解剖学を学んでおいた方がよい2つの理由
椎間関節
a:頚椎 b:胸椎 c:腰椎
- 椎間関節は椎弓の関節突起間に両側性に存在する滑膜性の連結である
- 関節の表面、すなわち関節面は、椎体各部で水平面に対してそれぞれ異なった傾斜度を示している
- 頚椎は45°
- 胸椎は80°
- 腰椎は90°
- そのため、運動の方向と範囲は部位によって特殊化している
関節包
第3~5頚椎の椎間関節面
- 関節包は関節面の辺縁まで入り込み、しばしば黄色靭帯と固く結合する
- 関節包は頚椎では広く弛緩した状態である
- 胸椎と腰椎部では非常に狭く、きつい
- ほとんどの椎間関節は、関節包内面から関節腔に突出する三日月形の滑膜ヒダを有する
- この滑膜ヒダはわずかに疎性性結合組織を含むが、多くは血管に富む密性結合組織から成る
- 滑膜ヒダの役割は関節面辺縁の腔を満たすことである
胸椎からみた関節運動部の構造と負荷量
- 関節運動部とは、上下に重なった2つの椎骨間における関節性および筋性連結に対して使われる言葉である
- つまり、椎間円板、椎間関節と関連する靭帯および筋を含んでいる
- 臨床的には関節運動部は、椎間孔を通る神経と血管および脊柱管の内容を含むと考えられる
- 脊柱には総計25個の関節運動部が含まれ、明瞭に区別される機能的・形態的単位を構成する
- これらの単位は相互依存性があるため、脊柱のある部分での異常は別の部分における関節運動部にも影響を及ぼす可能性がある
頚椎の可動域
- 側屈:35°
- 屈曲:65°
- 伸展:40°
- 回旋:50°
胸椎・腰椎の可動域
- 側屈:40°
- 屈曲:85°
- 伸展:60°
- 回旋:40°
各脊椎における平均可動域
ショーバー法とオット法による胸椎と腰椎の屈曲範囲の計測
ショーバー法
- 腰椎の棘突起の可動域を測定する方法
- 検査者はまっすぐ立った被検者の第1仙椎の棘突起とそこから10㎝上の点に印をつける
- 被検者が可能な限り前屈した時、2点間の距離は伸びて、約15(10+5)㎝になり、腰椎の棘突起の可動域となる
オット法
- 胸椎の可動域を測定する方法
- 検査者はまっすぐ立った被検者の第7頚椎の棘突起とそこから30㎝下の点に印をつける
- 被検者が前屈した時、2点間の距離は約8㎝増加する
- 別法として、膝を伸ばした状態で前屈した時の指と地面との間の最小距離を測る方法がある