円回内筋

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野球選手のための解剖学シリーズ!

今回は、『円回内筋』について共有していきます。

 

 

起始・停止・神経支配

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起始

  • 上腕骨内側上顆
  • 尺骨鉤状突起の内側面

停止

  • 橈骨中央外側

神経支配

  • 正中神経(C6~C7)

特徴

  • 起始が上腕頭と尺骨頭に分かれ、その筋間を正中神経が通過する
  • その後、浅指屈筋の腱性アーチ内に進入する
  • この部分での絞扼は円回内筋症候群と呼ばれ、高位正中神経麻痺の好発部位である

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①円回内筋 ②浅指屈筋 ③撓側手根屈筋

④尺側手根屈筋 ⑤長掌筋 

 

作用

筋機能の特徴

  • 肘関節の屈曲に作用する
  • 前腕の回内に作用する
  • 肘関節の外反負荷には動的なスタビライザーとして制動する

 

筋連結

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大胸筋・広背筋 ↔ 内側筋間中隔 ↔ 前腕屈筋群 ↔ 手掌面の筋群

 

 

野球との接点

内側型投球障害肘

  • 投球障害肘でもっと多い内側型は、加速期における過度な外反負荷が原因で生じる
  • このような症例の前弯屈筋群で最も圧痛が強いのが円回内筋である 

 

円回内筋症候群(高位正中神経麻痺)

  • 円回内筋の過剰な痙攣や瘢痕形成により、正中神経が絞扼されて生じる正中神経麻痺を円回内筋症候群と呼ぶ

 

解剖学を学んでおいた方がよい理由