膝内側側副靭帯
野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は『膝内側側副靭帯』について共有していきます!
起始・停止
起始
- 大腿骨内側上顆
停止
- 脛骨内側部
特徴
- 内側側副靭帯は膝関節の内側を補強し、大腿骨の内側上顆から斜め前方へと走行し、脛骨内側顆の内側縁と後縁に幅広く停止する
- 内側側副靭帯は浅層と深層に分けられ、深層は内側半月の中節に強く結合している
- 内側側副靭帯は下腿の外反と外旋を強力に制動し、その走行上、前方引き出しにも補助的に拮抗する
野球との接点
内側側副靭帯損傷・複合靭帯損傷
- 膝関節の靭帯損傷のなかで最も頻度が高く、膝関節に強力な外反強制力が作用し、発症する
- 損傷の程度は、圧痛のみで動揺性を示さない1度、軽度の動揺性を示す2度、著明な動揺性を示す3度に分類される
- 通常、外反動揺性の検査は0°と30°屈曲位で行い、0°においても動揺性を認める場合、内側側副靭帯のみならず前十字靭帯などの複合靭帯損傷が疑われる
- 内側側副靭帯、前十字靭帯、内側半月板の3者が同時に損傷したものは一般にunhappy triad とよばれている
- 内側側副靭帯の損傷部位のほとんどは内側上顆の付着部付近で発症し、これには解剖学的な付着部位が関与している
外反ストレステスト
外反ストレステスト
- 内側側副靭帯損傷を調べるテスト
- 右膝を調べる場合、右手で足関節を持ち、左手は膝関節の外側より当て、外反ストレスを加える
- 通常は膝関節0°と30°屈曲位の両方を調べる
- 損傷の程度を以下の3型に分類して、治療方針に活用する
- 1度:動揺性はなく、靭帯部の圧痛が主である
- 2度:0°での動揺性(-)、30°屈曲位での動揺性(+)
- 3度:0°での動揺性(+)、30°屈曲位での動揺性(+)