下双子筋

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野球選手のための解剖学シリーズ!

今回は、『下双子筋』について共有していきます。

 

 

起始・停止・神経支配

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起始

  • 坐骨結節の上部

停止

  • 内閉鎖筋の停止腱と合体して大転子転子窩(内側面)

神経支配

特徴

  • 梨状筋、大腿方形筋、上双子筋、下双子筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋はすべて股関節外旋に作用する小さな筋の集合体であり、深層外旋6筋と呼ばれる
  • 上双子筋と下双子筋は間に内閉鎖筋を挟みながら走行する

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作用

筋機能の特徴

  • 股関節の外旋、内転、伸展に作用する
  • 走行によっては股関節の外転、内転に作用する筋もあるが、中殿筋等の強力な筋肉が存在する中ではあくまで補助的な作用である
  • 深層外旋6筋は肩関節でいう腱板と同じように、腸骨大腿靭帯など協力して骨頭を支持し、骨頭の安定化に関与していると考えられている
  • 深層外旋6筋の中で上方に位置する梨状筋には股関節外転作用がある
  • 深層外旋6筋の中で下方に位置する大腿方形筋には股関節内転作用がある

 

筋連結

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 深層外旋6筋 ↔ 中・小殿筋 ↔ 大殿筋 

 

 

野球との接点

梨状筋症候群

  • 坐骨神経は梨状筋部において絞扼を受けやすい
  • 梨状筋症候群に対する保存療法はブロック注射が一般的であるが、近年運動療法による神経除圧と滑走性の改善による効果が報告されている
  • 腰椎椎間板ヘルニアと梨状筋症候群の鑑別には梨状筋の圧痛所見以外にFreiberg‘s test、Pace‘s test(梨状筋・上双子筋等を伸張し神経絞扼を増強させ疼痛を誘発するテスト)を確認するとよい
  • Freiberg‘s test:背臥位で股関節を他動的に屈曲・内転・内旋させ、臀部痛が誘発されれば陽性である

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  • Pace‘s test:座位で両方の股関節を内転・内旋させる方向に抵抗を加え、患者はこれに抗するように股関節は外転・外旋させ、筋力低下および臀部痛が誘発されれば陽性である

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解剖学を学んでおいた方がよい理由