有鉤骨骨折 手首の痛み・手首の張れと熱感・小指と薬指の痺れ・骨折の診断
今回は、有鉤骨骨折について共有していきます。
最近では、清宮選手(日本ハム)、糸原選手(阪神タイガース)、宮崎選手(横浜ベイスターズ)が有鉤骨骨折をしています。
ファウルを打った後やバットを振ってて掌の小指側の痛みが続いてるとき、この記事を参考にして下さい。
有鉤骨とは
- 遠位手根列を構成する手根骨の一つで、最も尺側に位置する
- 有鉤骨は近位では三角骨とで手根中央関節を形成し、遠位では環指・小指中手骨と手根中手関節を形成する
- 有鉤骨鉤には短小指屈筋、小指対立筋、豆鉤靭帯が付着する
- 有鉤骨と三角骨を結ぶ骨間靭帯は、大菱形骨と舟状骨を結ぶ骨間靭帯と同様に、遠位列と近位列をつなぐリンク機構として作用し、手関節機能上大変重要である
野球との接点
- 有鉤骨骨折は、野球のバット、ゴルフのクラブ、テニスのラケットなどのグリップエンドの位置関係が発症に関与している
- 骨折例ではグリップの基部が小指球の鉤部に一致しているものがほとんどであり、ここにファールチップなどの直達外力が作用し発生する
- ボールがバットの芯に当たった時はグリップへの衝撃は少ない
- ファウルなど芯を外した時はグリップへの衝撃が強くなることで受傷することが多い
- また、長年野球をしていることで負荷が蓄積し、疲労骨折する可能性もある。
有鉤骨骨折の症状
- 手首の痛み
- 手首の腫れ・熱感
- 小指・薬指の痺れ
骨折直後の場合、特徴的な症状として安静時の痛みがある。
じっとしているときに痛む、動かしても痛む場合には骨折の可能性を疑う必要がある。
受傷から時間が経つにつれ、腫れと熱感が出てくる。
骨折や周囲の組織が損傷することで内部で出血していることが原因である。
小指と薬指の痺れには尺骨神経が関係している。
尺骨神経は小指と薬指の感覚を司っている。
その尺骨神経は有鉤骨と豆状骨の間を走行している。
有鉤骨周囲への衝撃により尺骨神経が障害されることで、痺れの症状が出る可能性がある。
有鉤骨骨折の診断 X線撮影
- 有鉤骨骨折は通常の正面レントゲン画像では描出しにくく、手根管撮影が診断に有効とされている。
- 一般に手根管撮影(手関節・手指を過伸展位に保持し、末梢長軸より撮影)が骨折線の描出に有効とされている。