野球選手のための解剖学シリーズ!
今回は、『烏口腕筋』について共有していきます。
起始・停止・神経支配
起始
- 烏口突起
停止
- 上腕骨骨幹部中央内側
神経支配
- 筋皮神経(C6~C7)
特徴
- 烏口突起の近位は上腕二頭筋短頭と癒合しており、共同腱として烏口突起に付着している
- 烏口腕筋の筋腹を筋皮神経が貫通している
- 烏口腕筋を貫通した筋皮神経は上腕二頭筋、上腕筋に分布した後、前腕外側皮神経として肘窩から前腕外側の近くを司る
作用
筋機能の特徴
- 烏口腕筋は肩関節下垂位では、肩関節屈曲に作用する
- 烏口腕筋は肩関節90°外転位では、肩関節内転に作用する
- 烏口腕筋は肩関節最大屈曲位では、肩関節伸展に作用する
筋連結
野球との接点
烏口突起炎
- 烏口突起付近での痛みが骨傷でない場合、烏口突起における付着部炎が考えられる
- 痛みを誘発している組織が、上方に付着する靭帯が関与しているのか、下方に付着する筋肉が関与するのか鑑別が必要である
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反復性肩関節脱臼再建術後
- 反復性肩関節脱臼に対する手術では、烏口腕筋と上腕二頭筋短頭を移行して安定化を図るBristow法、Bristow法が一般的に多く行われている
- 烏口腕筋と上腕二頭筋短頭を一塊として烏口突起事切離する
- Bristow法では、切離した骨を肩関節前下方部に移植する
- Bristow法では、肩甲下筋の下方をくぐらした後、再度烏口突起に骨接合する方法である