個性を伸ばせ!FFS理論 自己分析・5つの思考行動パターン・保全性因子
『自分の個性ってなんだろう?』
『自分の個性はどうやったらスポーツに活かすことができるのか?』
今回は、そのような疑問を解決に導いてくれる考え方を共有しましょう。
自己分析
個性を伸ばすために、まず自己分析が欠かせません。
自分はどんな性格で、どういう特徴があるのかわかりますか?
自己分析のメリットとして、長所と短所がわかります。
長所を自分の強みとして生かすことで、突出した才能を作ることができる可能性があります。
逆に短所を補うことで、バランスの良い万能型になる可能性もあります。
どちらにとっても大切なことは、自分の性格や特徴にあったことをしているかどうかです。
また、自己分析ができることが他者理解につながります。
野球で例えると、チームメートがどんな性格かわかることでチームワークを高めることができますね。
FFS理論
古野俊幸氏の著書から得られた自己分析の方法を紹介していきます。
FFS(Five Factors Stress)理論とは、思考行動パターンを5つの因子とストレスで数値化したものです。
- 凝縮性因子
- 受容性因子
- 弁別性因子
- 拡散型因子
- 保全性因子
自分がどの因子になるのか判別するために15の質問に直感で答えます。
- 「持論を支持してくれない」同僚がいたら喧嘩になってでも説得しようとする
- 元気がない友達がいたら何とか元気にしてあげようとする
- 二度説明するなど無駄なことはしない
- 「閃いた」と思ったら後先考えずにまず動く
- 計画的に準備して進めようとする
- 「こうあるべきだ」とよく言っている
- 自分と違う考えを聞いたときに「なるほど、一理あるな」と思う
- 「データがない状態」では判断できないと思う
- 組織内にやりたいポジションがなければ外に探しに行く
- 仲間と一緒にいると安心できる
- 責任を果たすためなら部下の仕事をとり上げることもためらわない
- 状況や環境が変われば決まり事など柔軟に変えてもいいと思う
- あいまいなことは白黒はっきりとさせたい
- 「あんまり考えていないよね」と周囲から言われることがある
- 「丁寧できっちりしているね」と言われることがある
因子ごとに合計点を出し、合計点の高い順に3つの因子を並べます。
この3つがあなたの個性に影響を与えている第一因子、第二因子、第三因子です。第一因子(数値が一番高い因子)が最も影響を与えています。
保全性因子
日本人の65%は「保全性因子」といわれています。
ちなみに、私もバリバリの保全性因子でした(笑)。
それでは、保全性因子の特徴を紹介していきます。
- 確実に準備してから行動する
- 最初の一歩が踏み出せないときは周りの人を味方につけて背中を押してもらう
- 情報を幅広く集めて体系化するのが得意
- この領域ならだれにも負けない、と思えれば自信を持って戦える
- 誰かのために人生を懸けられる
- 少しずつ積み上げて成功実感を持つことに喜びを感じる
- 夢は現実的なところから生まれる
- 正しさより楽しさを好む
- 柔軟で寛容な個性のため1つに決められない
- 面倒見の良さと丁寧さを武器にする
- 周りの人達を元気にしたいので積極的に人間関係を作り会話を盛りあげようと動く
- 理屈で理解してもリスクをとることが生理的に嫌
- できることが好きなことになる傾向がある
- 自分の無能さが露呈するのを恐れて自信のないことは行動に移したがらず、なかなか一歩を踏み出すことができない
- 徹底的に情報を集めて抜け漏れなく対策を考えてようやく安心して行動に移すことができる
- 自身を持てるようになるには、できたという成功体験の積み重ねが必要
- 自分の型を磨くことで先の見通しが立ち力強く前進できる
自己分析をスポーツに活かす
練習では上手くいくんだけど、試合だと自信が持てなくなって本来の力を発揮できないことがあります。
保全性の特徴は、人前での失敗を恐れてしまい身体が思うように動かないことがあります。
失敗を恐れる傾向がありますが、逆に準備を人一倍して失敗を事前に回避するための努力を怠りません。
失敗を恐れないよう、指導者がサポートして導いていく必要もあります。
練習の難易度は頑張れば成功できそうな程度で、成功を積み重ねることで揺るぎない自信をつけ、本番でいい結果が出るようになります。
自信がある程度ついてきた頃には自分の型が定まり、一人でも目標に向かって進んでいく力が備わっています。
また、厳しいよりは楽しい雰囲気の練習環境の方が性に合っているでしょう。
チームスポーツでは、チーム内で自分の役割が見いだせないことがあるかもしれません。
保全性の特徴は、チームメートの状況を観察してどうしたらいいか考えることが得意です。
落ち込んでいる仲間がいるとき、放っておくことができません。
みんなが楽しめるように間を取り持つような役割が向いているでしょう。
誰かのために自分を犠牲にすることがあります。
自分自身のために、というよりは誰かのために何かをすることが原動力になります。
誰かの面倒をみることで、自らの存在を確認しています。
カリスマ的なリーダーというよりは、皆の話を聞き、同じ方向に向かせることができるスタイルのリーダーです。
また、面倒見がいい方のため、後輩の指導にも向いているでしょう。