具体と抽象 問題解決の3パターン
『野球が上手くなるための練習メニューをどのように考えたらいいか…?』
今回は、そのような疑問を解決に導いてくれる思考法を解説していきます。
具体と抽象
その思考法とは、ズバリ、『具体と抽象』です。
細谷功氏の著書から得られた考え方を、スポーツに応用していきたいと思います。
練習メニューは、昔からあるオーソドックスなものや、YouTubeで紹介されているものなど、世の中にたくさん出回っています。
その中で、自分に合ったメニューはどれなのか?
とりあえずこの練習をしてみたら、パフォーマンスがアップした。
あの練習をしてみたけどあまり効果がなかった、など、良し悪しが分かれることは多々あると思います。
限られた時間の中で体力や技術を高めていくには、自分に合った練習メニューを取り入れていく必要があります。
そのための思考法が、『具体と抽象』です。
問題となっている具体例やデータなどに対して解決方法を考えていくことが『具体化』です。
目先の問題だけしか見えていない状態で、いわば、対処療法みたいなものです。
一時的に良い結果が得られるかもしれませんが、時間が経つと、結局もとに戻ってしまう可能性があります。
具体例やデータなど目先のことだけでなく、問題点を分析し、その背景や共通項は何なのか、物事の本質を捉えていくことが『抽象化』です。
抽象化することで、目先に見えていた問題だけでなく、その他に解決しなければならない新たなことがみえてきます。
こうして具体と抽象の行き来をすることで、根本的な問題解決につながり、大きなパフォーマンスアップの可能性を高めることができます。
具体とは?抽象とは?
一応、言葉の意味も確認しておきます。
具体とは…
物事が直接に知覚され、認識されうる形や内容を備えていること(goo辞書)
簡潔に表現すると、
- 個別性、特殊性がある
- 五感で感じられる実態
- 個々の属性(形、色、大きさなど)
- 正解がある
- 優劣が明確
- 答えが重要
抽象とは…
事物または表象からある要素・側面・性質をぬきだして把握すること(goo辞書)
簡潔に表現すると、
- 集合、一般的なもの
- 五感で感じられない概念
- 2者以上の関係性、構造
- 正解はない
- 優劣がわかりにくい
- 問いが重要
図で表すとこのようになります。
問題解決の3パターン
問題の解決は、抽象から具体へ向かっていくことです。
問題解決の3パターン
- 具体 → 具体 表面的な問題解決
- 抽象 → 抽象 机上の問題解決
- 具体 → 抽象 → 具体 根本的な問題解決
繰り返しになりますが、具体と抽象の行き来が、根本的な問題解決につながっていきます。
打者の練習メニューを考える
打者の練習メニューを考えていきます。
自分の目標は何なのか(抽象化)、その目標を達成するための練習メニューは何なのか(具体化)、を意識しながら考えます。
まずは、目標を設定します。
ここでは、ヒットをもっと打てるようになりたい、という目標を立てて話を進めていきます。
『ヒットをもっと打ちたい』を具体化していきます。
「安定したスイング、ボールとバットのコンタクト」
↓
「構えの姿勢の安定性、四肢の脱力」
↓
「体幹回旋・股関節回旋筋力、肩甲骨安定」
抽象度の高いことを具体化していくことで、解決できるヒントがたくさん出てきます。
その中から、自分が出来ていることと出来ていないことを把握します。
課題が明確になれば、あとは練習するのみです。